素晴らしき嘘2 (ページ1)

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朝目覚めるとすでにリビングの方で人の気配がした。

どうせ櫻井くんと朝まで呑んでそのままリビングでうだうだしているんだろう。

和也と顔合わせたくないからさっさと準備して会社に行こう。

先に着替えを済ませるとキッチンにそおっと足を運ぶ。

カウンター越しにリビングに目をやると櫻井くんは床でラグをかぶって眠りこけてて、その横のソファーで和也がタバコをふかしてスマホを触っていた。

げっ、起きてる。

ゲンナリしながら仕方なしに冷蔵庫を開けて豆乳を取り出した。

冷蔵庫を開ける音で気が付いたのか私の方に和也の視線が動く。

すると和也は何事もなかったように、

和也：「あ、A俺も豆乳。」

はぁ？昨夜のこと忘れたんか！

A：「自分で注ぎなよ。ってかリビングでタバコ吸わないでって言ってるじゃん。」

和也：「うるさいよ。豆乳ー」

A：「…あんたさぁ…」

和也：「ん？」

昨夜私に何したか覚えてる？

そう聞こうとしたけど蒸し返しそうでヤメた。

A：「…なんでもない。ホラ、」

和也：「ん、」

和也にコップに注いだ豆乳を渡すと細い手首が目に付いた。

相変わらず白くて細い。

昨日引き寄せられた時すごい力だった。

この細い腕のどこにあんな力があるんだろ。