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カナダ ページ5
和也：「………。」
A：「………。」
和也：「………ごめん。」
和也の瞳が私の瞳を真っ直ぐ捉えてる。
和也：「………本当はカナダなんだ。日本を出る。」
A：「………カナダ………」
手の力がどんどん抜けていくのが自分でも分かる。
カナダ………
和也：「…俺…」
和也がジッと私を見つめながら口を開く。
和也：「自分がどこまでできるのかまだ見たことのない世界が見たい。」
A：「………。」
行き先がカナダだって分かって、驚いたけど。心のどこかで分かってた気がする。
この国じゃない。遠い何処かだって。
A：「…ひとつ、聞いていい？」
和也：「ん？」
A：「彼女は？一緒に行くの？」
聞くと和也はフッと笑って私の隣に腰を降ろすと天井を仰いだ。
和也：「いないよ、そんなの。」
A：「え？！」
和也：「確かに、1年前は浮気したけど。誘われて一度だけ。そうしたら…お前から離れられるかなぁって。」
A：「………。」
和也：「お前と一緒(笑)なんかないと離れられないって思ってたから。このまま一緒にいたらいつか絶対悲しませるよなぁって思ってた。」
私たち。
同じ事思ってたんだ。
涙がポロポロと止まらなく出てくる。次から次へと。
和也はそんな私を黙って見つめていた。
和也：「…ごめんな。」
A：「………。」
和也：「…その涙はもう拭いてあげらんない。」
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作者名：＊まぁ＊ | 作成日時：2020年2月19日 21時
