今日:31 hit、昨日:4 hit、合計:27,900 hit
小｜中｜大
大切なもの ページ26
A：「………。」
雅紀：「………。」
暫くお互い見つめあって、吹き出したのは雅紀くんだった。
A：「…なによぅ。」
雅紀：「変な顔(笑)」
A：「はぁ？」
長くて細い指でカウンター越しに私の頬をつまむ。
A：「ん、なに、」
雅紀：「女の子はね？素直にならないとブスになっちゃうんだよ？」
A：「………。」
雅紀：「せっかく女の子に生まれてきたんだもん。最大限で可愛くなる努力をするべきだよ。」
A：「………。」
雅紀：「でないと、」
雅紀くんの瞳が一瞬切なげに光ったような気がした。気のせい？
雅紀：「本当に大切なものなくしちゃうよ。」
A：「………経験が、あるの？」
雅紀くんは静かに笑って私の頬から手を離すと「昔ね？」そう言って顔を下に伏せる。
表情がよく見えないけど…沙羅の事じゃないってのは何となく、わかる気がした。
A：「沙羅のことじゃないよね？」
雅紀：「そう、見える？」
A：「見えない。切ない恋とはほど遠そう。」
雅紀：「んふふっ！ヒドイなぁ。」
A：「沙羅はいい子だけど。」
雅紀：「沙羅はね、あのまんまでいいんだよ。あのまんまが、いいんだ。わかりやすくて。」
A：「………。」
雅紀：「ん？」
A：「…わかりにくい子、だったの？」
.
.
.
雅紀くんの。
見たこともない、顔。
.
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＊まぁ＊ | 作成日時：2020年2月8日 20時
