* .。+*＊。.**+夜空の手紙* .。+*＊。.**..+ (ページ20)

今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:27,869 hit

和也の彼女ページ20

A：「…ごめん、聞こえた？」

和也は私の前に屈み込むと割れた破片を見てふぅ、溜息。

和也：「まだ飲み足りないの？…いい、触んな。」

言ってパッパッと素早く破片を拾い上げて紙袋に放り込むと、ワインで赤く濡れた床を拭き取る。

そのまま立ち上がって水道で手を洗うと、リビングのカウンターの下から何やらゴソゴソ。

和也：「A、こっち。」

言われるまま和也の方へ着いて行くと、手をクイッと引っ張られてソファーに座らされた。

A：「なに…」

和也：「ん。指先出して。」

手際よく、指先にバンドエイドを貼られて、「はい、おしまい。」

A：「…たいしたことないのに。」

和也：「指先は結構痛いもんだぜ。もう飲むのやめて寝な。」

A：「………。」

和也：「？なんだよ。」

A：「…和也の彼女って随分心が広いんだね。」

和也：「は？」

A：「だってそうじゃん、私だったら耐えられない、こんな風に夜中に2人っきりになったり、」

和也：「…。」

A：「全裸見られたり、」

和也：「それはお前が勝手に、」

A：「絶対イヤ。耐えらんない。」

触れた和也の指先が冷たい。

飲むと和也の指先はいつも冷たくなる。

和也：「………A………」

前髪の隙間から…和也の瞳。

色素の薄い…私の大好きだった。