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奇跡 ページ2
店に入るとマスターの雅紀くんとカウンターに座っていた沙羅が一緒にこっちを見た。
雅紀：「Aちゃん、いらっしゃい。」
沙羅：「あー！A！」
沙羅はぴょいっと椅子から降りると私のところまで駆け寄ってきた。
沙羅：「聞いてよ、A！雅紀がさぁ、」
A：「なに、また喧嘩？ってかどーせ沙羅が我儘言ってるだけでしょ。」
雅紀：「ほーら、沙羅！Aちゃんは分かってくれてる(笑)」
沙羅：「違うんだってばぁ！、今回は絶対に雅紀が、」
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Cafe『夜空の手紙』に通うようになって1年。
毎週のように通ってた私はマスターの雅紀くんとその彼女の沙羅といつの間にか仲良くなっていた。
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沙羅：「ねぇ、付き合って7年の記念日に3泊の旅行に行きたいのってそんなに我儘？」
雅紀：「だーから、そんなに休み取れないって、」
困ったように雅紀くんが苦笑いする。
A：「7年…。」
そんなに長く付き合ってるのか。私からしたら、奇跡。
沙羅をなだめながら彼女が座ってた隣の席に腰を降ろす。
雅紀くんは他のお客さんに出す珈琲を淹れながら、「なに飲む？」
A：「あ、今日は甘いの飲みたい気分。」
雅紀：「珍しい。いつもブラックなのに。」
A：「仕事で疲れてるのかな、飲みたいの。」
雅紀：「オケ。ラテでい？」
A：「ん。」
沙羅：「…私シフォンケーキ。」
雅紀：「…さっき食べたじゃん。」
沙羅：「お、か、わ、り！」
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作者名：＊まぁ＊ | 作成日時：2020年2月8日 20時
