子供5人 ページ6
貴方side
暫く質問を繰り返され、その度適当に嘘を吐いた。
……ポーカーフェイスは昔から苦手だが、どうやら乗り切れた様だ。
「ちょっと上に報告して来るから、ここで待ってて」
硝子が外へ出たのを確認し、今の状況を改めて確認する。
現在私の年齢は小学一年生前後。
呪符は残り3枚。
これは使えそうだけど、見付かったら私であるとバレるから隠しておかないと。
そう言えば、硝子は高専の医師になったのだろうか。
重要そうな資料は……っと。
『ここにいて』とは言われたけど、探索するなとは言われてませんし(屁理屈)。
……辺りを探索しても、あまり良いのは無い。
生徒の怪我の報告書はあるものの、術式等は記載していない為、あまり良いとは言えないかな。
足音が聞こえたので、慌てて戻ろうとするも、棚に当たって資料が崩れてしまった。
それと共に、硝子が入って来る。
「ぁ、ぇっと」
慌てて拾おうとするも、遮られてしまった。
「……すみません」
「いや、大丈夫。これそんなに大切じゃないし」
2人で協力しながら、資料を積み直していく。
途中途中で内容をサラッと横目で見るも、本当にあまり大した事も無いので途中から飽きて見るのを止めてしまった。
「ふー、君のお陰で助かったよ」
「いえいえ。倒したの私ですし」
「いやでも、小さな体でありがとうな」
ポンポン、と撫でられ、思わず頬が緩んでしまう。
「……いやぁ、実年齢に比べ幼いな」
「そうですか?」
「いや、違うか。同じ28歳でも君並に幼い28歳児はいるけどな」
なんとなく、頭に白髪の彼奴が出てきた。
あの性格：糞餓鬼のまま28歳に育ったら、そりゃあ28歳児だな。
「君は暫くここにいる事になったんだが、大丈夫か?」
「あぁ、全然」
実際、術師殺しで食い繋いでいた訳だし、夏油や真人、漏瑚や花御と暮らしていた訳だし全然大丈夫だ。
「じゃあ部屋を案内するから着いて来てくれ」
「はーい」
「……私は幼稚園の先生にでもなったのか」
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作者名：陽毬 | 作成日時：2021年4月1日 16時
