子供4人 ページ5
貴方side
「えっ、えっ、子供化してるっ?」
「……ほう」
いや『ほう』じゃないよ?
まさか、私って劣化の呪いの呪霊の術式で子供になったの?
ゾンビじゃないの?
だから、高専に私と気付かれずに拾われちゃったとか?
……究極に不味い。
背水の陣じゃん。
四面楚歌じゃん。
私夏油程強くないから、五条と接触しても良い勝負とか出来ないんだけど?
茈1発で死ぬんだけど?!
「幾つか君に聞きたい事がある」
「は、はい……」
硝子はチャッと資料を構え、私と向き合う。
「まず、名前は?」
ここで本名なんて言ったらそれこそ一巻の終わり。
どうする?
某探偵みたいに推しの名前を利用するか……あ。
「萌黄 栞です」
そう言えば、そんな名前の推しがいた。
推しの名前丸パクリとか罰当たりそうだけど。
「この字で良い?」
「はい」
そう言いながら、硝子は書き込んでいく。
硝子も変わったものだ。
ついこの前の様な気もするが、もう10年も経っているんだ。
時が経てば、人も変わる。
ごく当たり前のことである。
あの日から一歩も進めなくて、1ミリも変われないのは私だけか。
「年齢は? あ、元のね」
「28です」
これは素直に言っても言いか。
この辺戻った時不便だし。
……てか、戻ったらそれこそ処刑か。
それまでに逃げないと。
「ふふっ、私と同い年とは思えないな」
「……」
もうアラサーである。
見た目は子供、中身はアラサー呪詛師、その名も萌黄 栞!
……痛々しいわ。
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作者名:陽毬 | 作成日時:2021年4月1日 16時