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子供22人 ページ23
五条side
「終わった?」
火葬場を出ると、煙草を吸っている硝子と鉢合わせをした。
「彼奴、最期何て言ってた?」
「『後悔しないでね』ってさ」
心地良い沈黙だった。
人を、同期を、友人を、相棒の恋人を殺した後とは、思えない程に。
「彼奴も呪いの言葉、吐かなかったのな」
「うん」
快晴に煙草の煙と彼奴らが燃えた後の煙が交じって上っている。
「帰るか」
「そうだね」
短い思い出の振り返りと思おうか。
たった3週間の振り返り。
いや、後悔しないと決めたのだ。
無かった物にして、逃げないと決まったのだ。
彼女が28歳の僕と一緒にいた日々は、思い出の振り返りの虚像でも何でも無い。
これは、ただ28歳が子供になっちゃうような、n番煎じで笑えるような、都合の良い呪いに掛かった呪詛師の話なのだ。
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作者名:陽毬 | 作成日時:2021年4月1日 16時