子供2人 ページ3
虎杖side
「おい、あれ何だ?」
夜中にも関わらず、伊地知さんから急ぎの任務があると言われた俺と伏黒、釘崎で現場に向かった。
五条先生は出張でいないし、2年生の先輩方は任務の怪我の治療中だったので俺達しかやれないようだ。
相手は特級。
どんな術式を使うかは不明だった。
現場に来てみれば、一体の呪霊と何かの影、そしてボロボロの現場。
呪霊が暴れたせいか、辺りの物は錆たり腐ったりしている。
「あれ……子供じゃ……小学1年生位の……」
薄雲が風で流されて月明かりで辺りが照らされる。
そのお陰で辺りが良く見える。
呪霊の近くには子供がうつ伏せに眠っているのが見えた。
「玉犬っ!」
伏黒が玉犬を出したのをきっかけに、俺らは呪霊に向かい出した。
「釘崎、そっちの女の子は?」
呪霊を何とか祓い終えた後、釘崎と女の子の元へ駆け寄る。
釘崎は女の子を抱き締めたまま、呼吸や脈を確かめている。
「詳しい事は硝子さんじゃないと分からないけど、呼吸はしているし、脈はあるし、気絶してるだけだと思うわ」
ホッと一息吐くも、問題は解決していない。
気絶しているだけと言っても、もしかしたら何か呪いでも掛けられているかもしれない。
それに今は真夜中で、この女の子の家や親は見付け難い。
「伊地知さんに説明して、1度高専で預かった方が良い。明日、体の傷を家入さんに確認してもらってから親探しに行こう」
伏黒はそう言っtw、伊地知さんに電話を掛け始める。
「にしてもこんな幼い子をこんな真夜中にほっつき歩かせるなんて、どんな教育してんのよ。それに体中傷だらけで、この痣なんか、出来てから数日は経っているわよ。全く、親の顔が見てみたいものだわ」
俺らは呪術師だし、もう高校生だからこんな時間は普通だが、こんな幼い子が傷だらけで夜中ほっつき歩いているなんて、虐待位しか想像出来ない。
伏黒は明日、この子の親を探すなんて言っているが、見付かってもこの子は本当に幸せになれるのだろうか。
「げ……と……ぅ」
「うん? 何て?」
釘崎に抱えられながら魘されれるこの子を見ると複雑な気がした。
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作者名:陽毬 | 作成日時:2021年4月1日 16時