あなたの隣で

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-隆side-









家まで送ると言い張るAちゃんだったけど

なんとか説得して、Aちゃんのマンションで降りることとなった。









「本当に送らなくていいんですか？」




『いいの。本当なら俺が送る側だからね。』




「でも、車ですよ？」




『大丈夫。すぐそこだしね。』









楽しかった一日を過ごせた今、

帰るのが名残惜しくてエントランスから動けないでいる。









『地方から帰ってきたらなんだけど、』




「はい？」




『ご飯作ってよ。またAちゃんのご飯食べたいなーと思って。』




「あ、いいですよ！じゃー何が食べたいか考えてて下さいね。」




『ありがとう。』




「いいえ。」




『..................。』




「..................。」









話は尽きたのに、あとは俺がここから出て自宅に帰るだけ。









だけどそれがなかなか出来ないのは

今日という日でAちゃんへの想いが膨れたから。









いいな、気になるな、そんな程度じゃなくて









この子のこと好きだな。









隣に並んだ時、確かに感じた。









自然にそう思えた、素直な気持ち。









それが芽生えた日だからこそ

このまま帰りたくないと欲張りになる自分がいる。









『あっ！忘れてた！』




「え！？なにをですか！？....っあぁ！！」









「『ペンギン！！！』」


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