One more time (２)

88 ページ38

.









カタカタと響くオフィス内で

自分の重苦しいため息が止まらない。









歩「さっきから何？朝からどーした？」




「......歩って元カノとか気にする？」




歩「元カノ？元カレじゃなくて？」




「彼氏が元カノから貰った物とか置いてたらどうする？」




歩「あんまりいい気はしないかな。」




「だよね。」




歩「で、誰のこと？」









とりあえずランチの時に行くからと言われ、

皆より少し早めのランチの時間まで

やることだけは頑張ろうとため息を飲み込んだ。









.









歩「このあと、撮影だよね？同行だよね？」




「だねー。会うよねー。また見ちゃうよねー。」









お昼すぎには事務所を出て撮影場所に行くため

歩とお昼よりかなり前のランチ。






一通り話を聞いてくれたのに関わらず、

ため息は止まらない。









歩「でもさ、何かあるかも？ってか、何も聞いてないんでしょ！？」




「聞いてないよ。」




歩「Aが勝手に想像してそうなってるだけじゃん。」




「歩でもそう思うくせに。」









あまり食欲がなくてランチといってもコーヒーだけ。









歩「とにかく！もういっそのこと聞く？」




「んー。いきなり"それ、元カノから貰った物ですか？"って聞くの？」




歩「うん。そう聞く。」









自分がそうなった時は聞けないくせに。


そう思いつつ歩の言うとおり、

１人で勝手に想像して悶々して落ち込んだりして

そうなるぐらいなら聞いた方がいいのかな。









そんなことを考えながら撮影場所へと向かった。


.

89→←87

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す