見えないものを ページ41
｢ありがとう、おっちゃん｣
｢おう。オヤジさんによろしくな｣
用事を済ませた俺は、今にもスキップしそうな勢いで船へと歩いていく。
堪えきれないニヤつきをそのままに、大通りを闊歩していると、不意に肩を叩かれた。
｢あの、すいません。これ、落としましたよ｣
｢え？あ、ありがとうございます｣
女性が手に持っているのは、俺の趣味の悪いイヤリング。
歩いているうちに外れて落ちてしまったらしい。
｢独特なデザインですね…｣
｢ハハハ…よく言われます｣
苦笑いしながら受け取り、懐かしいななんて思う。
イヤリングと芋ずる式で思い出されるのは、大事なネックレス。
俺と
今じゃもう、俺たちを繋ぐのはこれだけじゃなくなった。
想い、信頼、絆…そんな見えないもので繋がってる。
｢嬉しそうにしてましたけど、何かあったんですか？｣
｢…家族との絆が増えたんです。見えるものとして｣
｢絆が、見えるものとして…。素敵ですね｣
綺麗な笑顔を浮かべた女性は、チラッと時計を見て、慌てて立ち去っていった。
絆という見えないものを、形として残すのは難しい。
どれだけ物を身に付けても、そこに想いがなければただのガラクタだ。
イヤリングには俺と父さんの想いが、ネックレスには、家族の想いが詰まっている。
だからこれは俺の宝で、唯一無二のものなのだ。
俺は恵まれている。こんなにも愛されて、幸せなのだから。
前を向いて、船を目指して歩き出す。
耳に着け直したイヤリングが揺れた。
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ライキ - 反応が遅れてしまい、申し訳ありません！更新ありがとうございます！！陰ながら応援させてもらってます！！これからも楽しみにしてます！ (2022年12月4日 19時) (
レス) id: c3cdfe919e (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 哀羅さん» ありがとうございます！ (2020年11月16日 16時) (レス) id: 93b38c73d0 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 柳さん» 今、フォローさせてもらいました！！！ (2020年11月16日 7時) (レス) id: 4b111e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - ありがとうございます！フォロバさせていただきますね！ (2020年11月15日 23時) (レス) id: 93b38c73d0 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 明日、Twitter探してフォローさせてもらいます！ (2020年11月15日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柳 | 作成日時：2019年10月18日 20時
