苦労人 ページ3
ブーブー、とブーイングをするシャンクスを無視して、ジュースを一口飲んだ。
喉が潤ったところで、もう一度シャンクスさんに向き直る。
｢シャンクスさんの方が立場は上なんですから、仕方ないじゃないですか｣
赤髪｢何だよ仕方ないって！俺が良いって言ってるんだよ！！｣
何を言っても無駄か、と諦めかけた時、救世主が現れた。
タバコを吹かしながら、呆れたように話し出す救世主。
ベン｢お頭、それくらいにしてやれよ｣
赤髪｢ベック！でもよォ、むず痒いじゃねェか！｣
ベン｢確かにあんたはそういうタイプじゃないだろォが、Aは真面目なんだ｣
赤髪｢俺が真面目じゃねェみたいな言い方だな｣
ベン｢あんたが真面目だったら俺は苦労していないはずだが？｣
ギロ、と苛立ちを込めた眼で睨み付けるベンさん。
苦労してんだなァ…。
そりゃ、頭がこれじゃ苦労もするか。
この船一番の苦労人だな。
赤髪｢…｣
言い返せなくなったのか、目を横に流し、酒を一口飲んだ。
｢自業自得だな｣
ざまァ、とでも言いたげな顔で、鼻で笑う。
だが、ずっと残念そうな顔を浮かべるシャンクスにこちらが先に折れた。
｢………分かった。敬語も敬称も外す。…だからその顔やめてくれ…｣
はぁ、と溜め息を吐く俺とは真逆に、シャンクスは満面の笑みを浮かべた。
あんな悲しそうな顔されたら、罪悪感が溜まって仕方ないのだ。
もう一度溜め息を吐き、机に伏せる。
｢嵌められた気分だ…。確信犯め｣
赤髪｢酷ェ言い方…。間違っちゃいねェがよ｣
俺もうこのオッサン絶対信じねェ。
その日の夜。
寝付けなくて、夜の甲板に出た。
不寝番に見つからないような所で、黒い海を覗き込む。
吸い込まれてしまいそうなほど黒いそれは、遠くの方では月の光に照らされて、とてもキレイに広がっていた。
寝付けないときは、いつもこうしていた。
稀に本当に寝れなくてオールナイトしたこともあった。
いつもはバレないように布団に潜り、暖かい体に包まれて、安心したように眠りに着く。
これがマルコにバレたときは心配されたな。
何かあったのか、大丈夫か、と。
特別何かあるわけじゃない。
ただ、たまにとてつもない虚無感と不安に包まれるのだ。
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ライキ - 反応が遅れてしまい、申し訳ありません！更新ありがとうございます！！陰ながら応援させてもらってます！！これからも楽しみにしてます！ (2022年12月4日 19時) (
レス) id: c3cdfe919e (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 哀羅さん» ありがとうございます！ (2020年11月16日 16時) (レス) id: 93b38c73d0 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 柳さん» 今、フォローさせてもらいました！！！ (2020年11月16日 7時) (レス) id: 4b111e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - ありがとうございます！フォロバさせていただきますね！ (2020年11月15日 23時) (レス) id: 93b38c73d0 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 明日、Twitter探してフォローさせてもらいます！ (2020年11月15日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柳 | 作成日時：2019年10月18日 20時
