【名探偵コナン】黒ずくめの組織の下っ端 (ページ6)

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夢ページ6

｢隣、失礼する｣

｢どうぞ｣

他にも空いている席はあったのに、わざわざ隣に座るなんて余程の物好きか、もしくは私の職業絡みか。

当時私は、組織に隠れて爆弾の取引もしていた。

バレたらめんどくさくなる可能性が見えてきたため、早くやめようと思っていたのだ。

そこまで有名というわけでもなさそうだったし、親を受け継いだだけだったから。

こんな職業に誇りもクソも無い。

まぁ、していて良かったと思うこともあったけどね。

さて、話を戻そう。

とにかく、相手がどんな目的で隣に座ったか分からない。

下手なことしゃべらないようにしないと。

｢…｣

｢…｣

｢……｣

｢……｣

…。

……。

………え？

なにこの無言。

こっちからしたら好都合なんだけどさ。

今さっきの私の決意(大袈裟)返して。

それから1時間ほど経ち、以前お互いに無言だ。

だが、これが意外と居心地が良い。

私も飲みながらしゃべるタイプではないので、とても楽だ。

…正直に言えば、喋りながら飲むとぺちゃくちゃと無駄なことまでしゃべってしまうだけなのだが。

私は席を立った時、初めて相手の顔を見た。

その顔は、何時もアコーディオンを弾いている"彼"だった。

アルバイト中だろ、何やってんだ。

そのことに少々驚きつつ、彼の分の代金も置いておく。

｢それじゃ、私はこれで｣

｢…いつも1人で来てるが、友達いないのか？｣

｢余計なお世話どうも。…今日はお兄さんのお陰で1人じゃなかったけどね｣

友達いないのは否定しないが。

｢また会えたらいいね。お兄さん｣

ーーーーーーーーー

｢…さん！Aさん！｣

うるっせぇなぁ…。

…そう言えば昨日、バーボンと…。

じゃあ、この声の主は…

｢…おはようございます｣

やっぱり…バーボンか。

｢おはようございます。うなされてましたよ？｣

｢すいません…。もう出ますよね、準備します｣

昨日着ていた服に着替え、身嗜みを整える。

｢昨日はありがとうございました｣

｢いえ、僕も助けになれて良かったです｣

｢それでは、私はこれで｣

タクシーを拾うのも面倒なので、歩いて帰ることにした。

そこまで距離がある訳じゃない。

普通に歩いていけるだろ。

のんびり歩いていると、プライベート用の電話が鳴った。

｢もしもし？｣

『やっと繋がったなこの野郎』

｢命の恩人になんて言葉遣い。で？何の用？私今盗聴されてるから後にしてくれない？｣

仕掛けないわけがない。