【男主】立海の地味な転入生は、最強テニスプレイヤー (ページ24)

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第２３話ページ24

幸「遅いよ。何をしてたの」

その言葉と裏腹に、幸村くんの顔には、安堵の色が表れていた。

『ごめんなさい』

蓮「もういいだろう、精市。(名前)も反省しているようだし、もうすぐ試合が始まる。

　 (名前)。お前はＳ３で出場だ。ダブルスが試合している間、身体をほぐしておけ」

僕は頷いて、ストレッチを始めた。

自慢じゃないが、僕は体が柔らかい。

ストレッチしながら、ダブルスの二組の様子を窺う。

丸井くんとジャッカルくんのペア、そして仁王くんと柳生くんのペア。

『二組とも、勝てそうですか？』

傍にいた柳くんに尋ねると、彼はノートに視線を落とした。

蓮「ああ。大丈夫だ。ほら、試合、始まるぞ」

氷帝の相手は、帽子を被った子と白髪の子、そして侑士くんと赤髪のおかっぱヘアの子の二組だった。

『侑士くん、ダブルスだったんだ……』

幸「いつの間に名前で呼んでるの！？」

隣に座っていた幸村くんが、心底驚いたように僕の顔を見る。

『四天宝寺にも従兄弟がいるから、ということで、名前で呼ぶことになりました』

幸村くんは、少し頬を膨らませて、視線をコートに戻した。

僕は何か、彼の気に障ることをしただろうか。