【男主】立海の地味な転入生は、最強テニスプレイヤー (ページ12)

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第１１話ページ12

そこに立っていたのは、柳くんだった。

蓮「おはよう……と言っても、日比谷とは朝に顔を合わせたな」

仁王くんと丸井くんは、突然の柳くんの来訪に目を丸くしている。

仁「参謀が一体、何の用じゃ？」

柳くんは僕に、一枚のＢ５のプリントを渡してきた。

その紙の上部には、「入部届」と大きな文字で書かれていた。

そしてもう既に、僕の名前と希望する部活の欄は記入してあった。

『僕に……拒否権は？』

蓮「精市がお前のことを、大変気に入ってしまってな。残念ながら、拒否権は無いに等しい」

『柳くんも、何だか嬉しそう……』

僕がそう言うと、柳くんは閉じていた目を、カッと見開いた。

今後は開眼せないようにしよう、僕はこの時そっと誓ったのだった。

授業中、ふと気になって窓際の仁王くんの席を窺う。

僕は廊下側の席で、ここからは仁王くんの席が丸見えだ。

一体どこに行っているのか、そこには誰も座っていなかった。

僕は視線を前に戻し、次は隣の丸井くんを横目で見る。

丸井くんは教科書を前に、頭を抱えている。

恐らく、数学が苦手なのだろう、そう思った時、丸井くんが先生に当てられた。

丸「こんなのわかんねえよぃ……」

僕は小さくため息をついて、ノートの端に答えを書き、丸井くんにこっそり見せた。

授業終わり、丸井くんに感謝の言葉をかけられたのは、言うまでもないだろう。