第10話 ページ11
教室に着くと、すぐに近寄ってきた人たちがいた。
仁王くんと……赤い髪の子。
仁「おはようさん」
?「よっ」
『お、おはよう』
仁「朝からそんな辛気臭い顔しなさんな。幸せが逃げるナリ」
?「そうだ、お前もガム食うか?」
赤い髪の子は、僕にガムを差し出す。
丁重にお断りすると、うつむいてしまった。
仁「そういえば丸井、自己紹介しとらんじゃろ」
丸「そうだったな。俺は丸井ブン太。シクヨロ!」
『シ、シクヨロ……』
そう言うと、仁王くんに「合わせんでもよか」と笑われてしまった。
その笑顔、何だか無性に腹が立つなぁ。
休憩時間、仁王くんと丸井くんと少し話す機会があった。
丸「んでお前。テニス部、入部すんの?」
仁「そうじゃろ、(名前)?」
『どうしていきなり……名前呼び?』
仁王くんによると、「そっちのほうが親しみやすくていいじゃろ」とのことだった。
『テニス部は……まだ決めかねている途中なんだよね……入部試験は大丈夫だったみたいだけど』
?「やはり、そう言うと思っていた」
急に背後から聞こえてきた声に驚いて、僕は振り返った。
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作者名:わかばまーく | 作成日時:2018年5月1日 20時