βテスター ページ17
Sideキリト
キバオウという奴が言っていた、βテスターの問題。彼が言っている事は正論だ。
多くのβテスターが、生存を重視して己だけを鍛えたのは事実。しかし、それ以外にもほかのプレイヤーのために情報などを提供している人もいた。
しかし何よりも、「βテスターが何も知らないビギナーを殺した。」ということが俺を苛ませていた。
初日に分かれた、クラインだってそうだ。もし彼が死ぬようなことがあれば、それは―――――
そこまで考えた時、背中が勢いよく叩かれた。俺の手よりもっと小さくて薄い、Aの手だった。
貴「……キリト。」
すると、Aは勢いよく立ち上がって、よく響く声を張り上げた。
貴「取込み中悪いな、ちょっといいか？」
じ、っとキバオウを見つめるAの顔は見えない。しかし、堂々とした風の彼女は、もう一度大きく息を吸って言葉を紡ぎだした。
貴「キバオウさん、アンタが言いたいことは否定しねえ」
Aの、威圧感のあるあの瞳に見つめられたのであろう、キバオウが少したじろきながら返事した。
貴「だがな、アンタも貰ったろ？情報屋の攻略本。あれは、βテスターの出した、無料で配布されいる本。βが全員、アンタの言う様な奴らじゃないってわけ。…つまり、アンタの言いてぇ事はちょっとばかし間違ってるっつってるんだよ。」
Aの瞳が、彼女に賛同する声に包まれた会場をぐるりとなめるように見つめ、最後にキバオウを睨んだ。
貴「ありがとさん。僕が言いたいのはこれで終いだ。」
機嫌悪そうに着席したキバオウを一睨みすると、Aは踵を返してに此方に戻ってきた。
静まり返った会場が、ディアベルの一声で会議が再開するのを機会に、隣のAに話しかけた。
ｷﾘ「ごめんな、なんかあんなこと言わせちゃって」
貴「気にするなって。僕が言いたいことをいっただけだし。…キリトの言いたかったことは、あれで大丈夫だったか？」
その言葉に頷くと、彼女は満足げに笑った。
シンタローも、「格好いい事しやがってｗ」と楽し気である。
…そんな二人に挟まれていると、先ほどの葛藤が嘘の様に消え失せているのが分かった。
いい友人を持ったな…と呑気な事を考えていたのだが。
問題は、β関連だけではなかったのだ。
ﾃﾞｨ「今回は複数のパーティを束ねた“レイド”で戦う！皆！パーティーを組んでくれ！」
ボスの説明を終えたディアベルが、「パーティーを組め」と言い出したのだ。
続く
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レイミ(プロフ) - うーん、自分友達から借りた小説しか読んでないんだよな… (2017年4月4日 23時) (
レス) id: d252b21d09 (このIDを非表示/違反報告)
三葉 樹乃(プロフ) - 待っていてくださった方、ありがとうございます！かなりの亀更新ではありますが、精一杯努力していきたいと思います。稚拙ながら、最新話を上げさせていただきました。 (2017年4月3日 16時) (レス) id: e17334d226 (このIDを非表示/違反報告)
いちごちょこまかろん - 続きが早く読みたいです！更新頑張ってください！ (2016年1月16日 15時) (レス) id: 06810baf8e (このIDを非表示/違反報告)
フェイタンlove(プロフ) - 楽しみです！更新頑張って下さい！ (2015年11月6日 23時) (レス) id: d50ed268d6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - 続きが気になります！ (2015年11月2日 13時) (レス) id: 9f2547f541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三葉 | 作成日時：2014年11月12日 21時
