スタート ページ14
sideキリト
ふと浮かんだ恐ろしい考えに恐怖に陥りそうだった思考を停止させ、これは一度置いておこう、まずはAの答えを聞くのが先だ、とAに向かって口を開こうとして、違和感に気付いた。…先ほどまで余裕そうにしていたAが、苦しそうな顔をしていた。
ｷﾘ「A、どうした？」
俺の声にハッと顔をげ、Aは先程の表情に無理やり笑みを貼り付けたような顔で、
貴「…ああ。申し訳ない。なんでもない。俺は、キリトの案に賛成だな。喜んでついて行くよ。」
と、答えた。
ｷﾘ「……？……ぁあ、…分かった。」
Aの言動が若干気になったが、これで(俺にとってクラインを置いていくという苦い結果となった)案は纏まった。
ｷ「…っそうか。分かった、じゃあここで別れよう。…クライン、何かあったらメッセージ飛ばせよ。」
ｷ(でも…初心者のクラインをここに置いていくなんて…俺は…)
ｷ(もし…この判断で誰かが欠けてしまったら……！)
ｷ(自分で決める事なんだ……口出ししたら悪いとわかってる！…でも…！)
すると、俺の悶々とした心情を察したようにシンタローが、
ｼﾝ「キリト、大丈夫だって。クラインだって、前のゲームじゃギルマスだったらしいしな。心配するなよ。」
不器用な笑みと共に語りかけてくれた。
クラインの「おうよ！」という威勢のいい返事と、通常運転に戻ったAが手を当てている背中の暖かさに押され、俺は別れる決意をした。
ｷ「…じゃあ、またな」
貴「くたばんじゃねぇよ？クライン。」
ｼﾝ「頑張れよ」
思い思いに声をかけ、一歩踏み出したとき。
クラインの少し焦ったような、照れ隠しのようなこえが響いた。
ｸﾗ「おい！……あー……」
ｸﾗ「おめぇら、本当は案外かわいい顔してんなぁ？結構好みだぜ？」
少し嬉しそうに笑ったA。
楽しそうに苦笑したシンタロー。
二人の表情に自分も精一杯の笑顔と共に、精一杯の皮肉を返した。
ｷ「お前もその野武士顔の方が10倍にあってるよ……！」
そう言って、数歩歩いて、振り返る……が、そこにはクラインの姿はもう無くて。
泣きそうになったが、それを振り払い。
俺を待っていたAとシンタローのどこか挑戦的な目を見つめ、
ーー俺たちは、この浮遊城を攻略するために、現実に帰る為に、共に走り出した。
俺の少し前を走るAの不思議と赤く見えた目が、俺たちを導くようにキラリと光った。
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レイミ(プロフ) - うーん、自分友達から借りた小説しか読んでないんだよな… (2017年4月4日 23時) (
レス) id: d252b21d09 (このIDを非表示/違反報告)
三葉 樹乃(プロフ) - 待っていてくださった方、ありがとうございます！かなりの亀更新ではありますが、精一杯努力していきたいと思います。稚拙ながら、最新話を上げさせていただきました。 (2017年4月3日 16時) (レス) id: e17334d226 (このIDを非表示/違反報告)
いちごちょこまかろん - 続きが早く読みたいです！更新頑張ってください！ (2016年1月16日 15時) (レス) id: 06810baf8e (このIDを非表示/違反報告)
フェイタンlove(プロフ) - 楽しみです！更新頑張って下さい！ (2015年11月6日 23時) (レス) id: d50ed268d6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - 続きが気になります！ (2015年11月2日 13時) (レス) id: 9f2547f541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三葉 | 作成日時：2014年11月12日 21時
