あなたを想う 赤→←黄←橙 ページ34
赤→←黄←橙
桐山side
重岡「淳太ぁー！！」
中間「なんやねんっ！」
いつもの楽屋の光景。いつも通り、しげは淳太君にウザ絡みをする。淳太君もいつも文句を言いながら、言葉とは裏腹に嬉しそうな笑顔。
俺はその笑顔を誰よりも好きなんや。
ぎゃーぎゃー目の前で繰り広げられる光景をいったい何度見たことか。本人たちは両思いなのに、お互いとも気づいていない。ましてや、言うつもりもない二人に苛つきながらも、安堵の気持ちで見てしまう俺が嫌いや。
濱田「照史…次メイクやって。」
いつの間にか横に立っていた濱田は、心配そうな顔を俺に向ける。唯一の俺の理解者。長年の片思いをずっと見届けてくれる、仲間。
桐山「俺、濱ちゃんにそんな顔させるほど酷い顔しとった？」
きっと俺は下手な笑顔を浮かべているんやろうな。濱ちゃんの顔を余計に曇らせてしまった。
反省をしながら、俺は立ち上がりメイクさんのところへと向かった。
＊
中間「照史？どしたん？」
桐山「あれ、淳太君もこれからメイクやったん？」
中間「せやで。」
淳太君は隣に座り、自分のメイク道具を机に広げていく。
俺のメイクさんもいつの間にか居なくなり、俺と淳太君の二人きりの空間。
中間「そういえば、さっきしげがな、新しいおもちゃ買った言うて見せてきたら、蜘蛛のおもちゃやねん。ほんまガキよな。」
嬉しそうに話す淳太君を鏡越しに見る。知ってるで、さっきのずーっと見てたもん。淳太君が発した言葉なら一言一句全部覚えてるで。
そんなことも言えず、俺は愛想笑いで頷くしかできない。
中間「…なぁ、照史．なんかあったら言ってな。俺にとって照史は特別やねん。だから、そんな顔せんとって。」
いつだって俺の変化に気づいてくれるのに、なのに俺の気持ちまでは気づかない。
桐山「ありがとな、淳太君。なんかあったら言うわ。」
中間「おん。」
また今日も言えへんかった。でも、満面の笑みを俺に向けてくれることに、純粋な好意とほんの少しの憎しみを覚える。
早く俺を嫌いになってくれればいいのに…。
end
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←続き
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 158人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わか(プロフ) - bob_cute_さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！ご期待に添えるかわかりませんが、後日談のエピソードを書かせていただきます！ (2021年3月5日 7時) (
レス) id: 9a62f9f41f (このIDを非表示/違反報告)
bob_cute_(プロフ) - 何気に「必要」のようなお話好きなんでまた書いて欲しいです。 (2021年3月4日 9時) (レス) id: 10fe3ed1ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わか | 作成日時：2020年12月23日 20時
