episode5 ページ6
授業が終わり、やっと流星からの視線に解放された。
流星「なぁ、しげ。今日の放課後屋上行かへん？」
しげ「え？！なんで？一緒に帰ればええやん」
明らかに動揺を隠しきれない俺の姿はとても不思議だろう。普通の人からしたら屋上くらいで動揺することはない。信じてもらえない気持ちと、ほんの少し、淳太と自分だけの秘密を共有していたいという気持ちがあった。
神山「しげ、諦めな。この顔の流星は無理や」
神ちゃんは俺の肩に手を置きながら、首を振った。小瀧は横で腕を組みながら大きく頭を上下に動かしている。
流星「じゃぁ、決まりやな。ホームルーム終わったら行こうか。」
不適に笑う流星を見て、俺は初めて悪魔だと思った。
＊
先生「じゃ、気をつけて帰りや」
先生の終わりの合図とともに、俺はカバンを持ち全力で逃げようとした。…が、叶うはずもなく、扉の前にはもう、小瀧が通せんぼをしていた。
小瀧「しげの考えることなんてお見通しやねん」
しげ「なんや！どけ！この巨人！」
小瀧「うるっさいな！ちび！」
神山「誰がチビや！！！」
小瀧「神ちゃんには言ってへんて！」
漫才みたいなやり取りをしていると、クラスのみんなはいつのまにか帰っていた。
残されたのはこの4人だけ。
流星「ほな、行こか。」
重岡は首根っこを小瀧に掴まれながら大人しく屋上へと向かった。
心なしか3人の緊張が重岡へと伝わってきた。
屋上へと続く階段を上り、ゆっくりと流星は扉を開けた。
特に変哲もない屋上に、普通の顔をして入って行く3人。重岡は淳太が何をしているのか気が気じゃなかった。
だが、重岡が入ってみても何もない。誰もいない。
淳太がどこにも居ないという事に、重岡は一人で焦りはじめた。
しげ「淳太は…？」
消え入りそうな声で呟く重岡。
神山「誰や？？」
小瀧「なんや屋上で動物でも飼ってたんか？」
しげ「…ちゃう。淳太がおらんねん。どこにも行けへんのに」
神山、小瀧は何を言っているのかさっぱりわからず不思議そうな顔をしている。
流星「やっぱり、淳太のこと見えるんやな。」
しげ「え？！なんで知っとるん？！俺しか見えへんはずやろ！」
重岡はパニックになりながらも、周りを見渡した。
流星「いや、話したこともないし、知らん人やけど。」
重岡はますます意味がわからない顔をして流星を見た。流星は、変哲もない顔をしながら重岡を見ている。
神山、小瀧は口を開けたまま二人を見ていた。
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わか(プロフ) - たらこさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてすごく嬉しいです(*´-`)これからも気ままに書いていこうかと思いますので、気分が向いたら読んでくださると嬉しいです！ (2020年12月6日 22時) (
レス) id: 025c82a460 (このIDを非表示/違反報告)
たらこ(プロフ) - 初作品完結おめでとうございます！すごく素敵なお話で感動しました(;_;)そしてエセ関西弁には気付かなかったです！わか様の作品、今後も楽しみにしてます(^-^) (2020年12月6日 14時) (レス) id: ef7f81443b (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - hinaさん» ありがとうございます！初めてのコメントすごく嬉しいです！頑張ります (2020年11月9日 22時) (レス) id: b512e4e051 (このIDを非表示/違反報告)
hina - この小説いい話ですね！更新頑張ってください！ (2020年11月6日 6時) (レス) id: 4bd133ce45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わか | 作成日時：2020年11月3日 21時
