11 ページ24
.
『図書館の中も何か、薄寒いね。』
『そうやね。』
『どこでする？』
『あ、そこの窓際空いてる。』
『ちょうどいいね、』
十二月中旬。大分昼が短くなって澄み切った群青の空が見えるようになった季節。
平野くんとひょんなことから勉強会を図書館で開くことになった。
『げ、等差数列だ。』
『嫌いなん？』
『応用がちょっとね、』
『意外やなぁ。』
『なんで？』
『完璧っていうイメージ強すぎたわ。』
『完璧って、、、』
苦笑してる、私。嬉しそうな平野くん。
あれから毎日時を重ね、すごく緻密な関係になった。
窓に映るのは２人の影と、おそろいのノート。
.
高く響くチャイムの音。
「あら、勝利くん。いらっしゃい。」
『こんにちは。おばさん。…今Aいます？』
「A？今、図書館行ったわよ。」
『そうですか……。そうだ。おばさん。僕おばさんに話したいことあるんですよね。』
「あら、そうなの？。寒いから中入って？」
.
紅色の飲み物からでる曖昧な湯気。
「それで、話ってなぁに？」
『おばさん。おばさんはAに好きな人がいたらどうします？』
「え？そうね、人によるわ。」
『それも、クラスのムードメーカー。平野家のご子息。』
「平野家のご子息？尚更嫌よ。あんな家。」
『ですよね、僕もそう思います。』
「もしかして、Aの好きな人って、」
『そうかも、って最初は思っていたんです。でも、どうやら訳が違うみたいで、、。』
「どういうこと？」
『平野から、寄ってきてるみたいです。それも強引に。』
「本当に？」
『はい。現にクラスの緩い女の子と無理やり話させたり、仕事を押し付けたり。』
「まあ！なんて事！？」
『でも、Aも何を思ったか惹かれているみたいで、、、。』
「2人とも許せないわ！愛だの恋だの。」
『はい。僕も大切な幼馴染に悪い虫が付いて不幸になるのだけは避けたいんです。』
「それで私に？」
『えぇ。』
「やっぱり、勝利くんは頼りになるわ。ありがとう。」
「徹底して、避けさせるわ。」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花椰(プロフ) - マナフィーさん» はじめまして！マナフィさん。お気に入り登録ありがとうごさいます。面白いと思って下さる事が1番嬉しいです！拙い表現、文章ですがこれからも応援よろしくお願いします！ (2017年8月14日 17時) (
レス) id: 4dbe96d054 (このIDを非表示/違反報告)
マナフィー(プロフ) - お気に入り登録させていただきました！とても面白いです！早く続きがみたいです！ (2017年8月14日 16時) (レス) id: cc15705e31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花椰 | 作成日時：2017年8月10日 11時
