鶯の声.20 ページ20
どこからか、息を飲む音が聞こえる。
少しの動揺もわかる。
神経は研ぎ澄まされていた。
山姥切「、、、呼ぶぞ。、、主。入ってきてくれ」
スッと、襖が開く。
薬研藤四郎のような、燭台切光忠のような髪型。
瞳は明石国行のように、二人を思わす赤と黄色。
脇差と打刀の間くらいの背。細い身体。
侮るな。見た目で判断してはいけない。
ゆっくりと膝をつく。
跪くような体制になり、言う。
鶯「古備前の太刀、鶯丸と申します。
名の由来は自分でもよくわかりませんが、
どうぞ、宜しくお願い申し上げます」
驚きの声が聞こえるが、気にしない。
第一印象は大切なのだ。
これで折られたりもする。
顔を上げ、怒らせぬように言葉を選んで、言う。
鶯「この身、貴方様が拾ったと聞きました。
恩を仇で返さぬよう、精進します。このような
ものが貴方様の呼び方を決めてもよろしいなら、
どうか感謝の意を込め、主と呼ばせて下さい」
人の趣向は人によって変わる。
だが自分は目の前にいる、彼の趣向はわからない。
怒らせぬように振る舞っているが、折られるかも
しれない。その場合、仕方ない。
この場には既に鶯丸がいる。
拾われるほうが奇跡なのだ。
むしろ捨て置いてくれた方がいい。
審神者「鶯、、、さん、とお呼びしても？」
鶯「勿論、構わないです」
審神者「なら、、、鶯。お前はその目で何を見た。
正直に話せ。お前の、、、恨みを」
あんなことを、仮にも主に話していいのだろうか。
まぁ、命令されているのだし、応えなければ。
鶯「、、、、沢山の仲間が折られ、
消えていきました。沢山の叫び声と共に、
紅色が舞いました。
赤い、火花も舞いました。
暗闇の中で閉じ込められました。
見たもの全て、くすんでいました。
そんな俺の恨みは、、、、、、言うなれば、
罪滅ぼしが出来なかったこと、です」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 397人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒猫〔神無月〕(プロフ) - こんにちわ！最初から読ませて頂きました！こう、何て言うか…ズンッと来るって言いますか…元々弱い涙腺が更に弱くなったと言いますか…と、とにかくとても素晴らしい作品でした(語彙力)それでは明鶯 石丸様！更新お待ちしています！お疲れの出ませんように(о´∀`о) (2017年5月16日 1時) (
レス) id: 7cfb6f3ef2 (このIDを非表示/違反報告)
明鶯 石丸(プロフ) - 改、でした。すみません (2017年3月16日 21時) (レス) id: cf6a0bcaec (このIDを非表示/違反報告)
明鶯 石丸(プロフ) - 雪星月さん» ありがとうございます！外行がなくて、読み辛かったと思いますが、見て下さり、ありがとうございます！なにかあれば、また、コメント下さい！これからもよろしくお願いします！ (2017年3月16日 21時) (レス) id: cf6a0bcaec (このIDを非表示/違反報告)
雪星月(プロフ) - 熱風邪でも､無理はダメですからね？それと本当にカオスですねwwww確かに､源氏兄弟の会話は漫才みたいですからねwwwww (2017年3月16日 20時) (レス) id: 25217cb101 (このIDを非表示/違反報告)
明鶯 石丸(プロフ) - 雪星月さん» ありがとうございます！ただの熱風邪だったので、もう大丈夫です！本当にありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2017年3月16日 18時) (レス) id: cf6a0bcaec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：明鶯 石丸 | 作成日時：2017年3月9日 1時
