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『は…?』
思わず素っ頓狂な声が出る。
いや、しょうがないでしょ、こんなこと言われたら。
『いや、だって、そんなあったばっかの人に敬語外せる訳ないじゃないですか…』
「じゃあ、俺も名前は教えないまま追い続けるからな」
『めちゃくちゃ過ぎ…』
昨日も思ったけど、少々甘やかされ過ぎなのでは。
お坊ちゃんの典型的な奴だな。
「で、どっちにすんだよ」
『…、敬語、外す…』
諦めるのが吉とみて降参すると、じゃあ俺の名前教えてやるよ、と言われる。
あれ?なんで君そんな上から目線なの??
「五条悟」
『五条…くん』
名は体を表すとはまさにこのことか。
言葉では表現が難しいけど何故だかしっくりきた。
思わずその名前を口に出すと、目の前の彼の顔が歪んだ。
「苗字じゃなくて、下の名前で呼べよ」
『え、なんで』
普通に疑問。
別に苗字で呼ぼうが、名前で呼ぼうがどっちだっていいと思う。
「はぁ?好きな奴には名前で呼んでもらいたいに決まってんだろ」
『あ』
さも、当たり前のように言ってくるもんだから思わず反応すると、目の前にいた五条くんは何だよ。とこちらをひと睨み。
いや、好きな子に対する態度かな、それ。
『いや、今好きな子って言ったなーって…』
「あ"っ…ッそうだよ!!昨日から言ってんだろ!!何か文句あんのか??!」
『何でそんなに怒んのさ』
しかも、見逃さなかったからね私。
言っちゃった感出してたの。
こういうの気付かない人って本当にいることに驚き。
「あ"ークッソ…かっこわりぃ」
『意外だわ、ごじょ、悟くん』
あぶねえ。五条くんって言いそうになった。
てか、言いかけた。
途中で睨まれなかったら最後まで言ってた。
「で、オマエは俺と付き合う気になった?」
『突然なに。
昨日の今日でなるわけないし、今後もなる予定はない』
「なんでだよ」
『なんでもだよ』
私は1人でひっそりとしていたいんだから。
悟くんみたいなキラキラオブザイヤーみたいな人とは違うんだから。
なんて、言えるわけもなく適当にはぐらかしといた。
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般若様 - 面白かったです。他の作品も見に行きますね。 (2022年3月31日 1時) (レス) @page36 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇最高 - 自分が探し求めていたような小説を見つけられました!ありがとうございます!!!!! (2021年11月20日 0時) (レス) @page36 id: 243594f76c (このIDを非表示/違反報告)
呪術、魔入間、魔主役、東方、東リベ大好きです(・д・) - この小説大好きです! これからもお体に気をつけて頑張ってくださいm(_ _)m (2021年10月8日 6時) (レス) @page36 id: 63dcc81372 (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - 高専時代の悟君が好きすぎて…!尊いが渋滞している (2021年4月10日 22時) (レス) id: 70ead44d6a (このIDを非表示/違反報告)
ドナルド(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!!更新されるたびに食い入るようにみてます笑 これからも応援してます!! (2021年3月31日 14時) (レス) id: d7cf4abf04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しずく | 作成日時:2021年3月26日 20時