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六十九話_夢が無い ページ37

Aは頭の中でじっくり考えていると太宰があ!!と大きな声を出した。




太「ちょっと犬!!死体に噛みつかないでくれるかい?!」


ベ「わん!」


太「わんじゃない!!日本語を喋りたまえ!!」




Aの横で大人しく座っていたのにいつの間にかベイリーが遺体で遊んでいたようだ。




太「犬は犬らしくお座りでもしてくれる!!ほら、お座り!!」


ベ「わふっ?」




ベイリーは若干太宰を舐めているようで云う事を聞かずに遊ぶ。




「パパ、もっとつよくいわないと!おすわり!!」


ベ「クゥン」




ベイリーはAの云う通りにお座りをして褒めて褒めて!と尻尾を振った。




「ほらね」


太「この犬さては私の事下に見てる…」




太宰は其れしか無いとベイリーを睨みつけたが、ベイリーの意識は既にAの方にあった。




***


あれからまだA達は港にいた。
打ち上げられた三人の死体は回収され黒服と広津も居なくなり二人と一匹だけだ。




ベ「クゥン」


太「……犬」


「ベイリー」


太「ベイリー、君はAの云う事を聞いて座っていろ」


ベ「ワン!」




二人と一匹で目の前の大きな海を見る。




「うみってきれい」


太「そうかい?実際は人間が捨てたゴミやら、魚達の排泄等で凄く汚いと思うけど」


「………」




夢が無い。
Aは太宰を見上げてムスッとした。




「ほら、にんぎょとか!まーめいどだよ?」


太「人魚は船乗りの男達を美貌と美しい歌声で魅了して食料にするらしい。嗚呼、私も人魚に喰われて死にたいなぁ」


「もう!!パパ!!」


太「ふふっ、ごめんね。怒らないでくれたまえ。君には笑顔が一番だ」





太宰はAの頬を摘んで優しく口角を上げさせた。

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海蕾(サブ) - えっあ…誕生日が一緒だと!?…ありがとう(泣) (2023年4月4日 2時) (レス) id: f15a1011db (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - うり太郎さん» ベイリー可愛いですよね。良き親友になります! (2021年9月19日 14時) (レス) id: d942560228 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - 蜂蜜檸檬さん» あら、そうなんですか? (2021年9月19日 14時) (レス) id: d942560228 (このIDを非表示/違反報告)
うり太郎(プロフ) - ベイリー・・・・・・ッ!!僕のワンダフルライフ大好きなんで嬉しいですっ!!今読み途中なんで今すぐ続き行ってきます三┏( ^o^)┛ (2021年9月15日 21時) (レス) id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜檸檬(プロフ) - はっ!この子誕生日が近い! (2021年7月22日 23時) (レス) id: ce5837a03d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スワ | 作成日時:2021年3月29日 16時

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