【文スト】弐・友人が話していた人間失格の息子になった件について【男主】

五十八話＿シュッパイとは ページ26

Aはこの三人が集結した事で今日が無事に終わる云う事実に気づいた。
この三人が集まるのは何でもない事だが大切な時間。




太「それより、暫く振りだねぇ。仕事帰りかい？」


安「酷い一日でした。密輸品の買付けに手間取りましてね」




安吾はやれやれと溜息を吐きながら鞄の中身を見せた。
太宰は安吾の言葉にフッと笑い"お疲れ様"言葉に出さず態度に表した。




太「安吾も仕事でシュッパイしたって事か」


安「シュッパイ？」


「しゅっぱいってなぁに？」




Aはシュッパイとは？と首を捻る。
太宰はそんな息子の様子に"可愛い"と出そうな所をグッと抑え小さな頭を撫でた。




太「シュッパイはシュッパイさ。そして私達はシュッパイ仲間。Aも何か今日シュッパイしたかい？」




シュッパイ。
Aは小さな頭を使って今日のある一つのシュッパイを思い出した。




「きょうね、きゅｯｯ………！！！」




しまった。
Aは慌てて口を塞ぐ。

実はA。精神異能を持つQこと、夢野久作と遊ぶのを父である太宰に禁じられている。
この事がバレれば仲良くしているQには厳しい折檻が下されるだろう。

それは嫌だ。




「…えりすたんとベイリーとあそんでたら、だんさにきづかなくつてこけちゃったの」


太「コケた？！私聞いてないよ？！」


「いってないもん」




太宰はAの体を隅々確認し膝に絆創膏が貼られている事に今更気づいた。

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