【文スト】弐・友人が話していた人間失格の息子になった件について【男主】

五十話＿謝罪では無く実績 ページ18

その時、執務室の扉が開きこの執務室の主が帰ってきたからである。




芥「太宰さん…！」


「パパ」




太宰は何やら手にぬいぐるみを持っている。太宰が持つには可愛すぎるぬいぐるみだ。




太「はい、これAが欲しがってたでしょう？織田作が君の為に買ってきてくれたようだ」


「え、ほんとに？」


太「嗚呼、今度織田作にお礼に行くんだよ」


「うん！」




Aはぬいぐるみを手に持って抱きしめる。
ぬいぐるみ屋さんで一目惚れし、駄々をこねてしまった程の品だ。一生大事にする。




芥「太宰さん…！」


太「嗚呼、君居たの」




太宰はAに話しかけていた声よりトーンをワントーン、いや100トーン程下げて芥川に話し始めた。




太「君、何故私の執務室にいるのだい？」


芥「報告書が書けたので提出をと」


太「報告書…嗚呼、報告書ね。君が余りにも遅いからその存在すら忘れていたよ。書くのに一体何時間かけているのだい？」


芥「すみません…」


太「私が欲しいのは謝罪ではなく、実績だよ。そんなんじゃ役立たずにも程がある」


芥「くっ…」




太宰はスラスラ芥川に向かって毒を吐く。
よくそんな毒が沢山出るものだ。

然し、どうしてあんなに芥川を突き放すのだろうか？
この疑問は割と前から思っている。

五十一話＿突き放す理由→←四十九話＿手当て

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す