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1話 ページ2

na視点

キーンコーンカーンコーン

授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、起立し礼をする。
んー!と背伸びをして疲れた体をほぐす。
一緒に帰ろうと声をかけようとし、隣を向くと思わずどきりとしてしまう。

頬杖をついて窓の外を見つめるきんとき。
黒い髪が風に靡いている。
その姿はまさしく王子様だった。
窓には雲が所々浮かんだ青空と緑が茂る木に止まる小鳥が映っている。

俺達は中1の時から3年間連続で同じクラスだった。
これは神様の良心なのか悪戯心なのか…。

思えば一目惚れだったのかもしれない。
君のそのサファイヤのように輝きアクアマリンのように透き通る瞳に惹かれた。
初めて目が合った時、心臓がドクンと高鳴るのがわかった。

俺なんかが…、と思いつつもきんときは誰にでも同じように優しかった。
そう"同じように"
特別になりたかった。
きんときに必要な人、特別な存在なりたかった。

「き、きんとき…?」
「ん、なーに?」

くるりとこちらを振り向きにこっと笑う。
これだけでも心臓のどきどきが止まらないのは重症だ。

「一緒帰ろ!」
「いいよ〜、でも今日きりやんが生徒会だって言ってたから遅くなっちゃうかもね…」

……っ
俺と話してるのに、俺以外のこと言わないでよ…っ
そんな醜い独占欲が湧き上がってくる。

こんな自分が嫌いだ。
きんときは友達思いで気が利いて優しいのに、自分はなんて幼稚なんだろうか。
不釣り合いだ、と言われても仕方ない。

「なかむ…?」

心配そうに俺を覗き込んでくるきんとき。

「ごめん…ッ」

きんときの顔を見ていられなくて、こんな自分の顔を見られてくなくてその場を離れる。
走り出すと、きんときのはっと息を呑む声が聞こえる。

あぁ…また迷惑かけてる…
ダメだな…俺…、何の取り柄もないじゃん…っ
嫌われて当然だよな…ッ

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あお - えっ!この小説好き!完結しちゃった、寂しいけどおめでとうございます!って思っていたんですが、まりんさんの小説だったんですね。そりゃ神なわけです!あまりにも遅いですが完結おめでとうございます!knさん可愛すぎっ! (6月4日 20時) (レス) @page10 id: 7978688813 (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 星空さん» ありがとうございます…!本当に嬉しいです😭これからも更新頑張ってまいります! (5月12日 17時) (レス) id: b747b8200d (このIDを非表示/違反報告)
星空(プロフ) - 完結、おめでとうございます!もう、、好きです← 反応とか好きだし最後のknさん可愛ッッ ほんとにGW中の更新ありがたかったです…!! (5月12日 7時) (レス) id: 7e8ffb456f (このIDを非表示/違反報告)
まりん - すみれいんさん» リクエストありがとうございました…!!いやほんとに短くてすみません…😭ご期待に添えたのでしたらよかったです! (5月11日 22時) (レス) id: b747b8200d (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 奏<そう>さん» こちらこそリクエストありがとうございました😭そうなんですか…!?めっちゃいいですね…。 (5月11日 22時) (レス) @page12 id: b747b8200d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まりん | 作成日時:2023年5月3日 14時

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