花びら60枚目 ページ10
怪我の事はニュースで広がったが、特にお世話とかして貰う必要も無い位に平気なので、活動に関しては休まずに全部出た。
今回のカムバの活動も終わろうとしていた時、日本でのショーケースが決まった。
皆は喜んでたけれど、私は複雑だった。
MN「…て事で、あいつらに日本語を教えてやって欲しい」
「嫌です」
MN「なんでだよ！！元々日本に居ただろ！？」
「いやまぁそうですけど」
なんなら今回のショーケースもパスしたいよ、私。
私の顔は割れてないとは言え、私の家の事を知らない人は小さな子供達以外には居ない位、ヤクザの家だから。
…お陰で居場所も、友達も居ないんだけど。
「…そもそも私、日本に良い思い出が無いのでショーケースを欠席したいんですけど」
MN「は！？それはダメだ！！8人で防弾少年団なんだろ！？」
「勿論8人で防弾少年団ですよ、ただ日本には行きたくないだけです…私を、拒み続ける所なんかに…」
ーガタン！
行きたくないと言いかけた時、部屋の外から物音が聞こえた。
バッとマネージャーさんとドアの方を見ると誰も居なかった。
再び向き合い話し合う。
MN「それでも8人のバンタンを待っている人達が居るし、あいつらも俺も誰もAを拒まないよ…Aの居場所はここだから、日本語を教えて、あいつらと一緒にショーケースに出てくれないか？」
私の居場所はここだと言ってくれて、心が軽くなる。
…頑張って日本語を教えようかな。
そして、久し振りの日本に帰ろう…。
決心が付いて、縦に頷いた。
すると安堵の息を吐いたマネージャーさん。
MN「良かったよ、なら早速お願いしても良いか？」
「…分かりました、頑張ります」
MN「うん…A、あいつらにも弱い所を見せてやれよ、信頼されてないから弱い所見せてくれないのか…甘えてくれないのかって不安がってるんだぞ」
苦笑を浮かべながら、そう言うマネージャーさんを見つめる。
…弱い所を見せたくなくて、あまり距離を詰めてないのに見せて欲しいなんて…。
甘えられたいなんて、なんで思うのだろう。
「…善処します」
MN「あいつらの為にもそうしてやって」
「…はい」
会釈してから彼らの居る練習室に向かった。
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作者名：秋桜 | 作成日時：2022年8月7日 22時
