傷付いた訳ありの悪の花には愛情を 2【BTS】 (ページ26)

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花びら76枚目ページ26

いつもならなんとも思わないアンチの言葉に、反応してしまうのは疲れているからだろう。
とある言葉が耳に入って、日本でやられた頬の傷がピリッと痛んだように感じた。

「っ…」
JK「ヌナ…？」
「…なんでもない」

頬の傷にそっと触れて唇を噛み締めながら、なるべく早歩きでバンに向かう。

"8-1が正しい"なんて、私が1番分かってるんだよ。
でも、皆がもっと歌えって言うから私の存在が強くなるんだ。
こんな奴の存在感、出しちゃいけないのに。

裏社会の奴の存在感を前に出してけば出す程、グループが狙われやすくなるし、私が裏社会の奴だってバレたらグループの評判が悪くなる。

でも、まだ皆とステージから見るあの光景を見ていたい。
パフォーマンスをして一緒に盛り上がってる、あの感じがたまらなく好きなんだ。
私の事をアンチしてる人が居ても、パフォーマンスを楽しんでくれてるARMY達の姿を見れば、こっちも楽しくなるというものだ。

JK「……ナ…ヌナ…ヌナ！！」
「ぅわっ！？…な、なに？」
JK「どうかしたんですか？帰って来てからぼんやりとして…って、頬の傷はどうしたんですか！？」
「え、今？」
JK「あーもう！！宿舎に帰ったら手当します！！」

そう言って、プンスカ怒ってるジョングクに手を引っ張られてバンに乗り込む。
グクの隣の席に座らされて、手をギュッと強く繋がれた。

JK「嫁入り前なのに、そんなに怪我してどうするんですか！！ヌナの綺麗な顔が台無しじゃないですか！！ヌナは美人なのに…！！」
「……ありがとう」
JK「え？」
「…そんなに心配してくれて…でも大丈夫だよ、心配しないで」

自嘲気味に笑ってみせると、何故か泣きそうな顔になるジョングク。

JK「ご両親は心配してないんですか…！？」
「…母親は小さかった私を庇って死んじゃって、父親は私の事に興味は無いよ…私は唯一の跡継ぎで、使い物にならない状態じゃなければ気にかけて貰う事はないから」

そう呟くように言うと、後ろに居た皆にも聞こえてしまったようで、時が止まったように静かになる。

「…だから…人の温もりとか、愛情とか、あまり知らないし…要らないと思ってる」

目を伏せてそう言ってから、イヤホンを耳に差した。
これ以上は話さないと言うように。

ーーー
…すみません、遅くなって…。
定期券を払い戻しで新しい定期券を買うはずが、その定期券を無くしてしまって…。
明日セブチの抽選結果が来て入金しないとなのに…。
今月ヤバくて、気分ド底辺です。