花びら68枚目 ページ18
自販機まで歩いて、コーラを買う。
近くにあった、背もたれのないソファーみたいなのに座って、コーラを飲む。
久し振りに飲むコーラは甘くて、炭酸が喉を刺激する。
壁にもたれ掛かり、目を閉じると襲いかかる睡魔に抗おうとしても疲れが溜まっている今の私には無理だった。
体を揺すられる感覚がして、目を開ける。
「…ん」
YG「こんな所で寝んな、風邪引くぞ」
グッと眉間の皺を寄せて、私を見下ろして起こすユンギオッパ。
ただ、眠た過ぎて意識朦朧としている私は重たい瞼に抗う事無くそのまま目を閉じた。
YG「起きろって…！」
「…起きても、どうせ居場所が無いんで…起きません……」
YG「は…？って、起きろ！」
「すぅ……」
YG「…しゃーねぇな」
溜め息を吐きながら呆れたようにそう言われた後、ユンギオッパにお姫様抱っこされて部屋に戻っていた事を後からテヒョンに聞いた。
その日はもう解散になって、目を覚ますといつの間にかホテルの部屋に居た。
お風呂に入った後、ホテルで用意されている部屋着を着てベッドで眠った。
次の日。
裏地がモコモコしているパーカーとタイツの上にズボンを穿いてコートを羽織って、マネージャーさんのバンまで歩いていく。
バンに乗り込むと私が最後だったようで、手前の座席に座った。
JK「ヌナっおはようございます！」
「ん、おはよ…眠れた？」
JK「ぐっすり寝ました！」
通路を挟んで隣に座っているジョングガと他愛のない話をする。
会場に着いたら練習着である黒のパーカーを着て、ナムジュンオッパと音響とかの確認をしに行く。
皆でやる音合わせやリハはその後にやった。
本番前に食べていなかった昼食を摂り、自分の場所に着く前に皆で円陣を組む。
JK「ヌナ、たまにはヌナがやりましょ？」
「え……分かったから、テヒョナと一緒にそんな目で見ないで」
眉の端を下げて、うるうるとした目で見つめられるのが弱い私はすぐ折れて声を掛ける事になった。
皆で集まって、マイクの頭の部分を付ける。
「…初めての日本公演で緊張すると思うけど、肩の力を抜いて楽しんで日本のショーケースを成功させんぞ」
BTS「！」
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作者名：秋桜 | 作成日時：2022年8月7日 22時
