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花びら107枚目 ページ7

袖で涙を拭き取り、顔を上げる。

「…お見苦しい所を見せて、ごめんなさい」
SJ「ヤー泣く事は仕方ない事でしょ?見苦しく無いから、もっと感情を出してよ」
「や、でも…みっともないので」
YG「…あのな、泣く事は大事な事なんだ、色々溜め込んだもんが涙として流れて来るから…涙を流して、俺達にサインを送ってくれ、嬉しい事も辛い事も苦しい事も…泣いた時の感情を俺達に共有してくれ」

少し呆れたように言っているけどその顔はとても優しくて、私の頭を撫でてる手も優しかった。
また胸が温かくなって、戸惑ってしまう。

家に居る時はこんな事無かった。
誰かに頭を優しく撫でて貰っても、胸は温かくなった事は無かったから。
誰かに優しい顔で何か言われても、感情が揺さぶられる事なんて無かった。

JM「…もう、家に帰らないでよ」
「え…」
TH「Aが泣く事が出来なくなるんでしょ?泣く事が否定されるんでしょ?…なら、もう家に帰らないでよ」
JK「そうですよ、人は泣く事で溜め込んだ物が流れて行きますし、スッキリする方法の1つなんですよ?…だからヌナの涙を流して罵って来る所なんかに帰らないで下さい」
「っ!!」

誰かに家に帰るな、と言われたのは初めてだし、私がその言葉に揺さぶられるのも初めてだ。

誰かに心配されるのは、皆が初めてで。
人の前で笑うようになったのも、皆が初めてで。
日付が過ぎても誕生日を祝ってくれるのも、皆が初めてで。
涙を流して胸が温かくなるのも、この皆が初めてで。
目の前で涙を流しても受け入れてくれる事も、皆が初めてで。

…家に帰るな、と止めてくれたのも、が初めてだ。

「…皆は、私の初めてを奪っていくなぁ…」
TH「…ちょっと、ピョンテな言い方だね」
「?」
JM「テヒョナ、雰囲気ぶち壊し〜!」
TH「だって、ちょっとピョンテじゃない?」
「??」
SJ「A、こうなっちゃダメだからね?」
「?はい」
HS「あぁ…ピュアで良かった…」
JK「ヌナの初めて…」

なんか、凄いジョングクがスンッて真顔になってるんだけど。
めっちゃ神妙な顔してるんだけど。

YG「ほら、ケーキ食うぞ」

少し呆れ笑いを浮かべたユンギオッパに腕を引かれて、皆でローテーブルを囲む。
床に座って、切ってくれたケーキを受け取って皆で食べる。

その空間が、ただただ幸せだった。

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作者名:秋桜 | 作成日時:2022年9月25日 12時

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