花びら133枚目 ページ33
信じられないような目で私を見つめる皆の視線に耐えられず、下を向く。
すると両肩に手を置かれたので、顔を上げるとマネージャーさんが私の傍に来てくれた。
「…だから、こんな仲良くなるのが怖くて最初、皆の事を避けてました…露出をしなかったのも手首と心臓の裏側にある墨を見られたくないから、腹にあるタトゥーで誤魔化してただけです…卒業式の時に私が出た時だけ雰囲気が変わったのもそれのせいなんです…まぁそんな事は良いんですけど、休ませて欲しい本当の理由が…っ……」
グッと言葉が詰まって息が苦しくなる。
背中に手を置いて、落ち着かせるように摩ってくれるマネージャーさんが居てくれるだけで心強かった。
MN「ゆっくりで良い…」
「は、い…っ……」
SJ「オッパ達はいつまでも待ってるから…」
YG「…ほら、深呼吸しろ」
こんなに言うのが躊躇ってしまう位に、皆の存在が大切になってしまった。
唇を噛んで、落ち着くのを待っていると口の中に鉄の味が広がった。
「…本当の、理由が…抗争を止める為です」
BTS「っ…」
「女の私が行っても言う事聞かないと思うけれど、でも家を継ぐ者として赴かなければならないので…なので、活動休止、したいです」
MN「…よく言ったよ、分かりやすく簡潔に、な」
「…長々と話しても、嫌ですし」
そう言って、目の前にあるペットボトルを手に取り蓋を開けようとしたら全然力が入らなくて、震えている事に気付いた。
「…っ」
MN「…Aのこの話を聞いて、活動休止させるかどうか決めるのはお前らだ…ちなみに、俺と代表は許可している」
RM「…Aが、活動休止する事をですか…？」
MN「あぁ…今まで頑張ってくれたし、代表によると家の事情で途中で脱退する前提で会社に入らせて、このグループにも入れたらしいからな」
マネージャーさんがそう言ってくれたと同時に、ペットボトルの蓋も開けてくれた。
お礼を言って、震える手のまま水を飲む。
MN「A、一旦外に出るか？」
「…は、い…ごめん、なさい…」
MN「謝るな、大丈夫だから…作業室とか好きな所に行って落ち着いて来い…な？」
「…はい…」
皆を裏切ってしまったような感覚が私を襲って、罪悪感に苛まれる。
練習室に向かって、端に膝を立てて間に顔を埋めるようにして座り込む。
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作者名：秋桜 | 作成日時：2022年9月25日 12時
