社会科準備室［ﾐｽﾞﾀｼﾝｼﾞ］ ページ11
金曜の昼休み。
今週も、社会科準備室のドアをノックする。
「失礼します」
それは水田先生に会いに行くため。
「こんにちは、先生」
「なんや、また来たんか」
世界史の水田先生は、おもしろくて、
でも、ひねくれてて意地悪だけど、
授業はすっごくわかりやすくて。
いつからか、授業中、
先生を目で追ってしまうようになってた。
それが、授業中だけじゃなくて、
学校ですれ違ったり、
先生が顧問をしてるサッカー部にいる時とか、
気づいたら足を止めて、目で追ってた。
これが、恋だと思う。
ずば抜けてかっこいいわけでもないし、
シュッとスマートなわけでもないけど、
どこか魅力的な先生に、
惹かれてしまったんだ。
たくさんの歴史書や参考書、ファイルが
並べられた本棚の前に置かれた
ソファに腰を下ろす。
先生は資料を作っていたのか、
開いていたノートパソコンを閉じながら、
回転椅子をこちらに向けた。
「今日は何の用？」
「先生とおしゃべりしにきました、」
初めてこの部屋に来たのは、３ヶ月前。
どうしても覚えられないところがあって、
聞きにいったのが初めて。
その時には恋に落ちていたけど。
それから、今は週3で準備室に通っている。
質問したり、おしゃべりしたり。
先生が仕事をしてる時は、
見てるだけの時もある。
「んなこと言ったって、
もう話すことないやろ。」
眉毛を下げて笑う先生。
「えー、ありますよ」
笑いながら、先生から視線を逸らして、
右側の本棚を見上げる。
「先生、この本全部読んだんですか？」
「んー、まあな」
本棚を眺める先生、
をみる私。
ソファと椅子の間の、
微妙な距離がもどかしい。
手を伸ばせば、届きそうで、届かない。
先生への気持ちと一緒だ。
いつも思うけど、
今日は胸がいつも以上に高鳴って。
「せんせ、」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 168人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うなたまどん。(プロフ) - りんごさん» リクエストありがとうございました！そう言っていただけると嬉しいです、今後もよろしくお願いします(*´-`) (2019年1月11日 20時) (
レス) id: 4a9fa95c08 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - リクエストに応えて頂いてありがとうございました！ 何度も読んでキュンとして萌えました((´∀`*)) (2019年1月11日 2時) (レス) id: 75220ddb3a (このIDを非表示/違反報告)
うなたまどん。(プロフ) - 渉さん» そう言っていただけると本当に嬉しいです（ ; ; ）今後もよろしくお願いします(*´-`) (2018年12月31日 13時) (レス) id: 4a9fa95c08 (このIDを非表示/違反報告)
渉(プロフ) - リクエスト応えて頂いてまありがとうございます！ 想像の何百倍もキュンキュンしました（≧∇≦） (2018年12月30日 20時) (レス) id: 03f4d8014b (このIDを非表示/違反報告)
うなたまどん。(プロフ) - なのさん» はじめまして、ありがとうございます！遅くなるかもしれませんが気長に待っていただけると嬉しいです◎ (2018年12月29日 9時) (レス) id: 4a9fa95c08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うなたまどん。 | 作成日時：2018年12月16日 19時
