S i g n (ページ9)

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みさきはスマホの騒がしいアラームを止めると

重たいまぶたをゆっくりと開けた。

体を起き上がらせ軽く伸びをすると、のそっと

ベッドから出て会社の服へと着替えた。

みさきは朝は苦手な方だったが寝坊をするような

タイプではなかった。

いつもと同じ朝。いつもと同じように準備をして

いつもと同じように早めに家を出て会社に向かった

.

『おはようごさいまーす』

昨日あったことが嘘だったかのように何ひとつ

変わらないことばかりだった。

難なく時間は過ぎて行ってあっという間に

お昼の時間を迎えた。

みさきはふとスマホを確認するといつもとは

違うことに気づいた。

＿＿＿＿川西さんからLINEが来ていたのだ。

川西昨日はありがとう!楽しかった!よかったらまた今度飲みに行かへん?

簡単で短い文章だったが、そのメッセージを見た

みさきは心が一瞬にして暖かくなって

思わずスマホを見ながら笑みがこぼれた。

みさきこちらこそありがとうございました!私も凄く楽しかったです!川西さんが良ければ私もまた飲みに行きたいです!

スマホとにらめっこし10分近くかけてようやく

文章を思いつき送信した。

みさきは川西さんとのトークを見て再び笑みが

溢れ出た。周りの人から怪訝な顔をされたのは

もちろん言うまでもなかった。