S i g n (ページ7)

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『なんか、忘れてました？』

川西「ん？大したことじゃないんやけどな、ちゃんと家帰れたか気になるから家ついたら連絡してくれへん？」

初めて会ったのに対してこんなにも優しく接して

くれる川西さんにみさきは思わず笑みがこぼれた。

そんなみさきに川西さんも照れるように笑った。

『分かりました！連絡しますね！笑』

川西「ごめんね？ありがとう！」

川西さんがそう言ったあと、2人は今度こそ本当に

お互いの家がある方向へと歩みを進めた。

.

ガチャ

みさきはひとり暮らしをしている1Kの家へと

入った。ひとり暮らしを始めて既に1年が経っている

というのにみさきは未だに1人で誰もいない家に

入った時の暗くて静かな部屋の雰囲気に

慣れていなかった。みさきはそんな雰囲気を

誤魔化すかのように早速川西さんに電話をかけた。

『もしもし、Aです！』

みさきが電話をかけると川西さんは3コール目くらい

で出てくれた。何を言おうか迷っていると川西さん

が話を始めてくれた。

川西「フフッ。わかるわかる笑ちゃんと家着けた～？」

『はい！着けました！楽しかったです。今日はいろいろありがとうございました。』

みさきがお礼を言うと再び電話の向こうでフフっと

いう川西さんの軽やかな笑い声が聞こえた。なにか

失敬なことでもしてしまったかと思いオロオロと

していると電話から再び川西さんの声がした。