S i g n (ページ21)

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いつもと違う雰囲気を醸し出してきたママを見て

賢志郎は大きな口を開けながらはハハッと笑った。

すると、となりからゴンッという嫌な音が聞こえた。

ママと賢志郎は目を合わせ嫌な予感がしながらも

音のした方を恐る恐る見ると右奥に置いてあった

みさきがビールを飲んでいたジョッキが倒れ

突っ伏して寝ていたみさきの肩から鎖骨のあたりが

中に少し入っていたビールによって濡れていた。

ママ「も～何してるのよ～笑」

『ごめんなぁさい～』

も～、ほんと手がかかるんだから！

ただの酔っぱらいよ～、などとママはこぼしつつも

顔はほころんでいてどこが楽しそうな様子が

賢志郎からも自然と感じとれた。

『ちょっとといれいってくる～』

ママ「トイレで寝ちゃダメよ？」

『うんうんわか～ってるよ～』

残された2人は再び目を合わせて

呆れたように笑った。

ママはサラッと時計を見て遠回しに賢志郎へ

時間が遅くなっていることを匂わせた。

賢志郎「あれ絶対分かってないやん笑ママも帰らす気満々やしな笑」

ママ「優しいからたまに賢ちゃんが芸人さんなの忘れちゃうのね～笑新手の物忘れってやつ？？」

そういうとママはクルっと席に背を向けて

先程洗っていたであろうラックに積み上げてある

お皿を丁寧にタオルで拭き棚に戻していった。