S i g n (ページ3)

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川西「ほんまに場所変えて飲みませんか？」

川西さんは少し照れながら言いにくそうに言った。

みさきは普段だったら助けてくれたにしても

名前以外のことを何も知らない男性に

ついて行ったりするような性格ではなかったのだが

言葉には出来ない、安心感や優しさというものが

川西さんにはあった。

『はい……！ぜひぜひです！』

川西「どこ行きます？」

そんな話をしていると先程みさきに絡んできた

おじさん達がお勘定を済ませ店の外に出てきた。

みさきと川西さんには目もくれず大通りに出ていった。

川西「出て行ってもうたな笑」

『また行きますか？笑』

川西「そうやな笑」

そうして2人は再びスナックに戻った。

川西さんは当たり前かのように先にドアを開けて

みさきに先に店に入るよう促した。

まなみ「あら2人戻ってきたの？」

『戻ってきた～』

いつもの定位置に座るみさきと自然にその隣に座る

川西さんにスナックのママ兼店長のまなみは

ニヤッと笑って何かを探るかのように言った。

ママ「なに2人とも～！すっかり仲良くなっちゃって！賢ちゃん落とすとはさすがみさき！」

『落としてないよ～笑まだ名前言い合っただけだから笑』

ママとみさきのやり取りを見ながら川西さんは

フフッと笑って何も言わずにも出てきたビールを

ゴクッと半分位まで飲み干した。