S i g n (ページ11)

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しかし、そこから運命がどんどん悪い方へと

行ってしまうことなど昨日の幸せに浸かっている

みさきにはまだ知る由もなかった。

.

案の定たくさん雨に降られ濡れてしまった。

今すぐにでも帰りたい、そんな思いから

いつもとは違った既にホームに停車している

電車へ乗った。その選択が一巻の終わりだった。

いつも各駅だから乗ってるの長いけど

この電車は快速だから4駅で着く、やっと帰れる

そう思いふっと気を抜いた時だった。

一瞬、お尻に何かが当たったような感触があった。

混んでるからかな？そう思った時だった。

明らかに誰かの手であろうものが当たった。

振り向こうとすると、それを拒むかのように

誰かのものであろう手はしっかりと触ってきた。

あと2駅。2駅で開放される。

自分に言い聞かすかのように何回も何回も

心の中で唱えた。しかしその誰かの行為は

エスカレートする一方で恐怖心も募っていった。

恐怖から何も出来ずにただひたすら耐えて

その場に固まり立ち尽くすことしか出来なかった。

ようやく目的の駅に着き、逃げるかのように

電車を飛び降りた。

＿＿＿＿＿＿怖い怖い怖い。

恐怖心から何も考えられずとにかく少しでも早く

家に帰りたかった。折り良く駅から家まではそう

遠くなかったため小走りで家へ向かった。