五十八話 ページ9
「カリス……？」
ここで何してるの、という言葉はカリスの言葉によってかき消される。
「カリス、とはどちら様でしょう？」
キョトン、と首を傾げる目の前の男は、どうやら他人の空似だったようで。
彼が言葉を発したことで、微かに声が違うということに気がついた。
「い、いえ！知り合いにそっくりだったもので」
耳が良かったお陰で、ぎりぎり他人だと理解できた。カリスよりも声が僅かに高い。それでも、声すらもかなりそっくりであった。
「そうですか。あ、ご用件は？」
ニコニコと笑う目の前の金髪の男は、私の起こした人違いのことはどうでもいいと言うように、話を進める。
私の方も、カリスについて深く聞かれなくて良かった。彼は知名度の高い医者。苗字まで言えば、どんなに田舎暮らしをしていようとも聞いたことぐらいあるような名前だ。
だからこそ、詳しく問いただされないのは嬉しかった。
私はニコリと笑って、子供を引き取りたい旨を伝える。
すると快く、中に入れてもらえたのだった。
孤児院の中は、本当に楽しそうな子供で溢れていた。廊下を走り回る子供たちは、カリス似の男を見るなり、院長先生こんにちは、とはしゃぐ。
心なしか、私が避けられているように感じたのは気のせいなのだろう。多分、見知らぬ大人が来て不審がっているだけだ。
そしてどうやら、この男はこの孤児院の院長だったようだ。
「ずいぶん慕われているんですね」
「いえ、これでも後任でして。親しんでもらうまでにかなり時間がかかりました」
談話室へと向かいつつ、私は目の前を歩く院長先生に話しかける。
少し照れくさそうに言った院長先生は、その謙虚さからも良い人なのだと伝わってきた。
「ここで少々お待ちください。手続きのための書類をお持ちしますので」
談話室に着くと、中にある革張りのソファに案内された。腰をかけると、ちょうど良い硬さのクッションが私の体重を支えてくれる。
ソファはかなり良い素材のものが使われているようだった。
院長先生が書類を持ってくる間、私はきりやんとぶるーくに聞いた友達の名前を思い出す。四人居たのだが、かなり忘れてしまっていたのだ。
どこかにメモでもしてくれば良かった、と後悔しつつも、なんとか思い出そうと頭の引き出しをいじくり回した。
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ニゲラ*(プロフ) - 壱樹さん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます、一番大好きだなんて……本当に嬉しいです！更新遅くなって申し訳ないです。もう少ししましたら忙しい時期を抜けると思いますので、もう暫くだけ亀さんペースをお許しくださいませ。これからも頑張りますね(*^▽^*) (4月8日 16時) (
レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
壱樹 - めちゃくちゃ良いです…！今まで見た小説の中で１番大好きです！これからもがんばってくださいっ！ (4月4日 17時) (レス) @page18 id: d010ee6f51 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - 群青色の匠さん» 本当に文字化けの件はご心配おかけしてしまったようで……バグではなく正常動作です！応援コメもありがとうございます！読者様方には本当いつも励まされております……更新スピード落とさぬよう、努力していきます！この先も宜しくお願いします(^-^) (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - みどさん» 文字化けはエイプリルフールのちょっとした冗談です、笑って許してくださいませ……水色さんや緑色さんはもうしばらく先になってしまうかと思いますが、もう登場までのプロットのようなものはできていますのでお楽しみに！（なるはやで文字起こしします！） (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - おださん» またまたコメントありがとうございます‼︎通知気付かれてすぐに来てくれているのですね……！そこまで楽しみにしていただけているなんて本当に喜ばしい限りです！おだ様含めた読者様方のために、この先も尾も白い作品作り頑張りたいと思います！ (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニゲラ* | 作成日時：2024年3月14日 15時
