五十七話 ページ8
ひとまず街へと出た私は、孤児院方面へと向かう乗合馬車がないかを探す。今日も市が立つ日のようで、探すのにはそこまで苦労しなかった。
優しそうなお兄さんが乗った馬車に声を掛けてみる。
相場の二倍出すと言えば、快く乗せてくれたのだった。
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「乗せて頂き、ありがとうございました。しかもわざわざ孤児院の正門まで」
「いやいや、お嬢さんこそ。昨日はあんまり売れなかったからな。金額的にも嬉しいよ」
目的地は、馬車に揺られて一時間ほどで到着した。
御者のお兄さんと軽い世間話をしていれば、あっという間に辿り着く時間だ。
お礼を言い、荷台から降ろしてもらう。
私を降ろすなり、お兄さんはぱちりとウインクをする。そして、馬車は動き出した。すぐに馬車の影は小さくなって、物陰に消えていった。
「孤児院の真正面まで送ってくれるなんていい人だったなぁ」
私が金額を積んだせいなのか、お兄さんは孤児院の正門まで私のことを運んでくれた。本当にいい人だとしみじみ思う。
私は目の前に聳え立つ、ツタの絡まったボロい家を見上げた。
家の中からは、ほんの微かにだけ子供の声が聞こえてくる。何かで遊んでいるのか、楽しそうな声であった。
……ボロいが、あまり悪い孤児院ではないのかもしれない。
ふと、そう思った。
この国は、今はそこまで治安が良くない。政治が安定しないせいもあれば、十数年前に世界大戦で敗戦国となったこともあるからだ。
そのため、個人で作られた孤児院は、院として成り立っていくためにお金が必要だった。
だからこそ、子供を売ったり、子供を労働力にしてこき使ったりしている孤児院も少なくないと聞く。
この孤児院は、そんな一般的なところとは少し違うのかもしれないと勝手に思った。
そんなことを考えつつ、私は、正面ドアを軽くノックしてみる。
「すみませーん」
私が声を上げると、すぐさまパタパタと靴の音が中から聞こえてきた。
案外近くに居た人らしく、どんどん足音は大きくなる。
目の前まできた音は、そのまま止まり。
ガチャリと扉が開いた。
「こんにちは、今日はどのようなご用件でしょう？」
少し高い声で顔を覗かせたのは、なんと驚き。
カリスだった。
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ニゲラ*(プロフ) - 壱樹さん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます、一番大好きだなんて……本当に嬉しいです！更新遅くなって申し訳ないです。もう少ししましたら忙しい時期を抜けると思いますので、もう暫くだけ亀さんペースをお許しくださいませ。これからも頑張りますね(*^▽^*) (4月8日 16時) (
レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
壱樹 - めちゃくちゃ良いです…！今まで見た小説の中で１番大好きです！これからもがんばってくださいっ！ (4月4日 17時) (レス) @page18 id: d010ee6f51 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - 群青色の匠さん» 本当に文字化けの件はご心配おかけしてしまったようで……バグではなく正常動作です！応援コメもありがとうございます！読者様方には本当いつも励まされております……更新スピード落とさぬよう、努力していきます！この先も宜しくお願いします(^-^) (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - みどさん» 文字化けはエイプリルフールのちょっとした冗談です、笑って許してくださいませ……水色さんや緑色さんはもうしばらく先になってしまうかと思いますが、もう登場までのプロットのようなものはできていますのでお楽しみに！（なるはやで文字起こしします！） (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - おださん» またまたコメントありがとうございます‼︎通知気付かれてすぐに来てくれているのですね……！そこまで楽しみにしていただけているなんて本当に喜ばしい限りです！おだ様含めた読者様方のために、この先も尾も白い作品作り頑張りたいと思います！ (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニゲラ* | 作成日時：2024年3月14日 15時
