七十八話 ページ29
「どうしたの？ご主人」
「なんでもないよ！それより欲しいものってなんなの？」
慌てるきりやんを見て、出会って数日でよく懐いてくれたとしみじみとしていた。ぼーっとしていた私を見て、きりやんが心配してくれたようだ。
はっとして、なんでもないと取り繕う。子供の様子を見て感傷に浸っていた自分が小っ恥ずかしくなり、無理やり話題を変えた。
「あ！そうだった。あのさ、ぶるーくの持ってるキーホルダー、俺も欲しい」
すると、私の思惑は成功したようで、話がすり替わる。
きりやんは欲しいものとはキーホルダーだと教えてくれた。
＿＿キーホルダー……？
きりやんの言葉に、私は何かを忘れているような気がする。思い出そうとしてもすんでのところで頭に浮かばない。
「俺も、それが欲しい」
私が何か記憶に引っ掛かるものを探っていれば、スマイルが言う。きんときも、俺もと言って手をあげた。
話を聞くに、ぶるーくが付けているのを見て、自分たちも欲しくなったそうだ。
「じゃあ明日買いに行こうか！」
皆んな、私が家で育てる予定の子供たちなのだ。なにか不公平があってはいけないと思った。
だから、私は明日に買いに行こうと提案する。
うん、と嬉しそうに頷いた面々。
「A、きりやんの分も買ってなかった？」
すると、ぶるーくだけ不思議そうに呟いた。
その言葉に、私はハッと思い出そうとしていたことを思い出す。
『きりやんの分のキーホルダー』
何か忘れている気がしていたのは、きりやんの分のキーホルダーだったのだ。ぶるーくのおかげで、もやもやが消え去った。
それと同時に、ぶるーくにだけプレゼントしてしまったというなんとも言えない気まずさが全身を襲う。
すっときりやんから視線を逸らした。
「えっ、俺の分あったの？」
私が気まずそうに顔を逸らしたのを見逃さなかったのだろう。きりやんが驚くようにそう溢した。
「……きんときとスマイルの分買った時に渡すね」
ここできりやんだけに渡すのは些か問題があるように思う。だから明日、きんときたちと同時に渡すことにした。
「……分かった」
そんな私の思惑を理解してくれたのか、きりやんは少しだけ口を尖らせながら了承してくれた。聡い子供である。
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ニゲラ*(プロフ) - 壱樹さん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます、一番大好きだなんて……本当に嬉しいです！更新遅くなって申し訳ないです。もう少ししましたら忙しい時期を抜けると思いますので、もう暫くだけ亀さんペースをお許しくださいませ。これからも頑張りますね(*^▽^*) (4月8日 16時) (
レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
壱樹 - めちゃくちゃ良いです…！今まで見た小説の中で１番大好きです！これからもがんばってくださいっ！ (4月4日 17時) (レス) @page18 id: d010ee6f51 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - 群青色の匠さん» 本当に文字化けの件はご心配おかけしてしまったようで……バグではなく正常動作です！応援コメもありがとうございます！読者様方には本当いつも励まされております……更新スピード落とさぬよう、努力していきます！この先も宜しくお願いします(^-^) (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - みどさん» 文字化けはエイプリルフールのちょっとした冗談です、笑って許してくださいませ……水色さんや緑色さんはもうしばらく先になってしまうかと思いますが、もう登場までのプロットのようなものはできていますのでお楽しみに！（なるはやで文字起こしします！） (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - おださん» またまたコメントありがとうございます‼︎通知気付かれてすぐに来てくれているのですね……！そこまで楽しみにしていただけているなんて本当に喜ばしい限りです！おだ様含めた読者様方のために、この先も尾も白い作品作り頑張りたいと思います！ (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニゲラ* | 作成日時：2024年3月14日 15時
