七十六話 ページ27
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夕飯を食べ終わった後は、子供たちだけのお話タイムとなった。
先に風呂に入って欲しいと頼んだところ、先にご主人が入っててときりやんに断られてしまった。
せっかくの一番風呂なのできんときやスマイルに入ってもらいたかったのだが、そんな彼らにも断られてしまったのだから仕方がない。
『僕たちだけで話させて!』
挙げ句の果てには、ぶるーくに半ば強制的に押部屋を追い出されてしまった。
渋々、私はお風呂場へと向かう。
……沸かすのにも時間かかるんだよね
仕方がないので、シャワーを浴びる間になんとか沸かそうと決めたのだった。
お風呂が、沸いた。
シャワーとお風呂の魔石は別々のものを使っているので、シャワーを出していたらお風呂が沸かないということはない。
だから、体感では、意外とすぐに沸いたような気分だ。
「極楽、極楽〜」
もくもくとのぼる湯気の中、私はザボンと湯船に浸かる。肩まで浸かると、今日一日分の疲れがどっと水に溶け出すような気がした。
……今日は本当に大変だったなぁ。
朝一で家を出て、孤児院まで行った。
簡単に引き取り手続きを終え、軽く町でも散歩してから帰ってくる予定だったのに。
孤児院はなんだか不穏な空気が漂っていて、スマイルが惨たらしい目に遭っていて。
久しぶりに激怒した。
こう振り返ってみると、本当に色々あった日だった。
……でも、まだ仕事が残ってるんだよね。
憂鬱が体にのしかかる。
ここ三日ほど、きりやんが来たのをきっかけに、プライベートでのやるべきことが増えていた。
そのため、仕事が溜まりに溜まっているはずなのだ。
流石にそろそろ片付けないとまずいものもチラホラある。
今日こそは子供たちだけで寝てもらおうと心に決め、私は風呂を上ることにした。
「上がったから入っといで〜」
風呂を上がり、髪を軽く乾かした。あまり髪は長くなく、量も多くはないのですぐに乾く。
リビングに入ると、子供たちが楽しそうに会話を繰り広げていた。そこに、私はお風呂に入るように指示をする。
「A、洗ってくれないの?」
すると、ぶるーくがそんなことを言った。
悲しそうな顔で見られたら、断りづらい。しかし、もう入り方も分かっただろうし、人数も多い。
ぶるーくの質問に私が頷くと、彼は心底悲しそうに言った。
「え〜。仕方ないなぁ」
それでも、納得してくれたようだ。子供たちは、リビングを出て行った。
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ニゲラ*(プロフ) - 壱樹さん» 返信遅れてすみません!コメントありがとうございます、一番大好きだなんて……本当に嬉しいです!更新遅くなって申し訳ないです。もう少ししましたら忙しい時期を抜けると思いますので、もう暫くだけ亀さんペースをお許しくださいませ。これからも頑張りますね(*^▽^*) (4月8日 16時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
壱樹 - めちゃくちゃ良いです…!今まで見た小説の中で1番大好きです!これからもがんばってくださいっ! (4月4日 17時) (レス) @page18 id: d010ee6f51 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - 群青色の匠さん» 本当に文字化けの件はご心配おかけしてしまったようで……バグではなく正常動作です!応援コメもありがとうございます!読者様方には本当いつも励まされております……更新スピード落とさぬよう、努力していきます!この先も宜しくお願いします(^-^) (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - みどさん» 文字化けはエイプリルフールのちょっとした冗談です、笑って許してくださいませ……水色さんや緑色さんはもうしばらく先になってしまうかと思いますが、もう登場までのプロットのようなものはできていますのでお楽しみに!(なるはやで文字起こしします!) (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - おださん» またまたコメントありがとうございます‼︎通知気付かれてすぐに来てくれているのですね……!そこまで楽しみにしていただけているなんて本当に喜ばしい限りです!おだ様含めた読者様方のために、この先も尾も白い作品作り頑張りたいと思います! (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニゲラ* | 作成日時:2024年3月14日 15時