七十四話【SIDE きんとき】 ページ25
ーSIDE きんときー
スマイルに連れてこられた先の部屋には、先程見かけた女の人が待っていた。
話のタイミング的にも、おおかた予想はついていたのでそこまで驚く必要はない。
それよりも、ここに来るまでの道でスマイルから聞いた、ぶるーくときりやんが彼女の家に居るということの方が重要だ。
スマイルは全く疑わずに信じ込んでいるが、流石に自分としては真実だと思い込みにくい。
ぶるーくもきりやんも、かなり前にこの孤児院から居なくなったのだ。それも、二人ばらばらの大人に引き取られて。
それなのに、その二人がもう既に集まっていて、さらにそこから自分たちを呼ぼうなんて、そんな奇跡無いに決まっている。
「お姉さん、ぶるーくときりやんと知り合いって本当？」
嘘だということは聞くまでもなく分かりきっていた。
でも、警戒心を出してしまえば、相手がそれを望まないときに、躾と称して何されるか分からない。
＿＿この女の人が自分たちに何をするかなんて未知数なんだから。
一応、彼女は自分の質問に、うんと首を縦に動かした。
その声が、動きが、嘘つきであるようには到底思えない。
でも、信じることが怖かった。
大人なんて皆んな嘘つきだから。
子供だって、嘘つきだ。
「嬉しい」
自分も、自分たちを守るために、嘘つきになるしかないと思った。
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女の人はAという名らしい。Aの家に向かう間、軽く自己紹介をされた。
スマイルからの説明は随分と大雑把だったようで、きりやんやぶるーくとの出会いから、自分たちを引き取るまでの流れを教えてくれた。
でも、やっぱりそれを聞いても、彼女の家にぶるーくときりやんが本当にいるようには思えなかった。
『たまたま落札したのがきりやんで、たまたま入ったお店にぶるーくが居た』
そんな偶然あるものか。もう少しまともな嘘をつけばいいのに、Aという人は笑顔でそう言った。
……俺は騙されない
深く、そう心に誓った。
＿＿それなのに。
それなのに、Aの家に着くなり玄関に走り込んできたのは、何度も夢にまで見た彼ら。
＿＿嘘じゃ、なかった。
彼らの喜びようを見るに、別に酷い扱いを受けているわけではなさそうだ。
「友達想いだね」
ふと、隣に立つAが言う。
ただ、呟かれただけかもしれない。でも、その言葉はなぜか深く染み渡っていって。
Aを疑う気持ちが、吹き飛ばされた気がした。
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ニゲラ*(プロフ) - 壱樹さん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます、一番大好きだなんて……本当に嬉しいです！更新遅くなって申し訳ないです。もう少ししましたら忙しい時期を抜けると思いますので、もう暫くだけ亀さんペースをお許しくださいませ。これからも頑張りますね(*^▽^*) (4月8日 16時) (
レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
壱樹 - めちゃくちゃ良いです…！今まで見た小説の中で１番大好きです！これからもがんばってくださいっ！ (4月4日 17時) (レス) @page18 id: d010ee6f51 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - 群青色の匠さん» 本当に文字化けの件はご心配おかけしてしまったようで……バグではなく正常動作です！応援コメもありがとうございます！読者様方には本当いつも励まされております……更新スピード落とさぬよう、努力していきます！この先も宜しくお願いします(^-^) (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - みどさん» 文字化けはエイプリルフールのちょっとした冗談です、笑って許してくださいませ……水色さんや緑色さんはもうしばらく先になってしまうかと思いますが、もう登場までのプロットのようなものはできていますのでお楽しみに！（なるはやで文字起こしします！） (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - おださん» またまたコメントありがとうございます‼︎通知気付かれてすぐに来てくれているのですね……！そこまで楽しみにしていただけているなんて本当に喜ばしい限りです！おだ様含めた読者様方のために、この先も尾も白い作品作り頑張りたいと思います！ (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニゲラ* | 作成日時：2024年3月14日 15時
