七十三話【SIDE きんとき】 ページ24
ーSIDE きんときー
大広場に行くと、何事もなかったかのように他の子供たちは遊んでいた。
積み木をする子、ドミノをする子、本を読む子、それぞれだ。
その中に、楽しそうに他の子と喋っているアニラを見つけた。ついさっきまで泣いていたとは思えないほどの笑顔だ。
そんな彼を見て、心の底から実際に殴ってやろうかと思ってしまう。
出しかけた手。院長先生の顔が脳裏に浮かんで、必死に堪えた。
でも、世の中理不尽でしかないと感じた。
＿＿本来、嘘をついていて罰せられるべきはアニラなのに。
なのに、辛い思いをしているのはただ優しいだけのスマイル。
＿＿自分は、ずっと友達と一緒に居たいと願っているのに。
なのに、順番に引き取られて行く仲間たち。
理不尽ばかりだ。どうしてこうも、世界は自分に味方をしてくれないんだろうか。
何か、前世で悪いことでもしてしまったのだろうか。
ぐるぐると頭の中がこんがらがっていく。
そしてある地点まで思考が到達したとき、もうなにも考えたくなくなった。
頭がいっぱいで、疲れた。
少しでも楽になろうと思考を放棄して、出しっぱなしだった紙と色鉛筆を手に取ってみる。
絵を描くときだけは、何も考えずに済むことを、いつだか知ったからだ。
無心に、何を描くとも決めずに紙に物を描き続けたのだった。
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「きんとき、ちょっと来て」
どれだけの時間、絵を描いていたのだろう。
今日は特に孤児院の役割もなく、一日自由な時間だったので、時間も忘れて絵を描くのに集中していた。
すると不意に、上から声が掛かる。
頭、そして視線を上げてみれば、スマイルが自分を見下ろしていた。
「今日は随分早かったね」
スマイルを見ると、どうしても罪悪感が胸をよぎる。でも、自分がそんなことを思っているなんてスマイルにバレたら、彼の方が気にしてしまうかもしれない。
だから、笑顔で彼に接することにした。
でも、やっぱりどうしても気持ちが抑えられなくて。
小さな声で謝った。
でも、スマイルは全く理解できていないようだ。何故謝るのか聞かれてしまった。
とりあえず、何でもないと笑って首を振る。
「あ、ちょっと着いてきて。ぶるーくときりやんに会わせてくれるって人が」
すると、スマイルはそう言って急に俺の腕を掴んで走り出す。
突然の出来事に、どういうことだよ、と思って聞いてみる。すると、軽く状況を説明された。
……走りながら。
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ニゲラ*(プロフ) - 壱樹さん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます、一番大好きだなんて……本当に嬉しいです！更新遅くなって申し訳ないです。もう少ししましたら忙しい時期を抜けると思いますので、もう暫くだけ亀さんペースをお許しくださいませ。これからも頑張りますね(*^▽^*) (4月8日 16時) (
レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
壱樹 - めちゃくちゃ良いです…！今まで見た小説の中で１番大好きです！これからもがんばってくださいっ！ (4月4日 17時) (レス) @page18 id: d010ee6f51 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - 群青色の匠さん» 本当に文字化けの件はご心配おかけしてしまったようで……バグではなく正常動作です！応援コメもありがとうございます！読者様方には本当いつも励まされております……更新スピード落とさぬよう、努力していきます！この先も宜しくお願いします(^-^) (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - みどさん» 文字化けはエイプリルフールのちょっとした冗談です、笑って許してくださいませ……水色さんや緑色さんはもうしばらく先になってしまうかと思いますが、もう登場までのプロットのようなものはできていますのでお楽しみに！（なるはやで文字起こしします！） (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - おださん» またまたコメントありがとうございます‼︎通知気付かれてすぐに来てくれているのですね……！そこまで楽しみにしていただけているなんて本当に喜ばしい限りです！おだ様含めた読者様方のために、この先も尾も白い作品作り頑張りたいと思います！ (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニゲラ* | 作成日時：2024年3月14日 15時
