七十一話【SIDE きんとき】 ページ22
ーSIDE きんときー
まただ。
スマイルは悪くないのに、スマイルのことをよく思わない奴らのせいで、彼は“反省室”に入れられる。
「うわーん、スマイルくんが殴ったぁ」
目の前で、嘘泣きするアニラは、先生たちの前では大人しくしている演技派の男の子。
確か俺たちよりも二つか三つは年齢が下のはずだ。
そんなアニラは、スマイルに殴られたと嘘をついて泣き真似をしている。
彼がどうしてそんなことをするのかは知ったこっちゃないが、それでも被害者であるスマイルが本当に可哀想であった。
アニラの泣き声に、院長先生が大広場にやってくる。
またお前か、といった顔でスマイルを睨む院長先生。ついには反省室に連れて行くと、抵抗するスマイルの腕を引っ張った。
そんな二人の様子を見ていて、口を閉ざしていることなんてできない。
「先生！アニラは嘘ついてるんです！」
気が付けば、俺は大声で院長先生に言い放っていた。
でも、先生の前ではいい子面をしているアニラが嘘をつくとは考えられないのだろう。
「マルサンフタシチが嘘をつくわけなかろう！マルナナマルキュウも反省室に行きたいのか？」
院長先生は、今度は自分に向けて睨みを効かせた。
“反省室”
ずっと昔からあったものの、前の院長先生のときは何もない部屋に閉じ込められるだけだった。だから、そこまで恐怖の対象ではなかったのに。
新しい院長先生になってから、格段に反省室の恐怖の強さは変わった。
目隠し、耳栓、鞭打ち。
孤児院の子供たち誰もが絶対に嫌だと思うようになった。
かく言う自分も、新しい院長先生になってから一度だけ入れられたことがある。それは夢に出るほどのトラウマで、もう二度と行きたくないと思っている。
だから、院長先生から反省室行きをちらつかせられると、どうしても言葉に詰まってしまった。
「きんとき、別にいいよもう」
そんな俺を見たからか、スマイルは抵抗をやめ、大人しく院長先生に着いて行った。
彼こそ、何度も何度も反省室に入れられ、もう嫌だと言っていたはずなのに。
何故怯んで口を閉ざしてしまったのだろうと、自分の情けなさに胸が締め付けられた。
七十二話【SIDE きんとき】→←七十話【SIDE スマイル】
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ニゲラ*(プロフ) - 壱樹さん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます、一番大好きだなんて……本当に嬉しいです！更新遅くなって申し訳ないです。もう少ししましたら忙しい時期を抜けると思いますので、もう暫くだけ亀さんペースをお許しくださいませ。これからも頑張りますね(*^▽^*) (4月8日 16時) (
レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
壱樹 - めちゃくちゃ良いです…！今まで見た小説の中で１番大好きです！これからもがんばってくださいっ！ (4月4日 17時) (レス) @page18 id: d010ee6f51 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - 群青色の匠さん» 本当に文字化けの件はご心配おかけしてしまったようで……バグではなく正常動作です！応援コメもありがとうございます！読者様方には本当いつも励まされております……更新スピード落とさぬよう、努力していきます！この先も宜しくお願いします(^-^) (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - みどさん» 文字化けはエイプリルフールのちょっとした冗談です、笑って許してくださいませ……水色さんや緑色さんはもうしばらく先になってしまうかと思いますが、もう登場までのプロットのようなものはできていますのでお楽しみに！（なるはやで文字起こしします！） (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - おださん» またまたコメントありがとうございます‼︎通知気付かれてすぐに来てくれているのですね……！そこまで楽しみにしていただけているなんて本当に喜ばしい限りです！おだ様含めた読者様方のために、この先も尾も白い作品作り頑張りたいと思います！ (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニゲラ* | 作成日時：2024年3月14日 15時
