六十二話 ページ13
「すみませんね、うちの子供が。どうぞ、中にお入りください」
少年が遠くの扉に消えるまで、その姿を見つめていた私に、院長先生が声を出した。
既に笑みを貼り付けた顔に戻っている院長先生に、先程の少年が言っていたことの意味を問うてみたい。
しかし、今はそれよりも中に入ることが優先だった。
だから私は、院長先生に促されるままにドアを開ける。見るからに重々しい鉄扉は、実際にかなり重かった。
……子供一人では開けられないほどに。
私がゆっくりゆっくりとドアを開けば、部屋の中が見えてきた。どうやら明かりが付けられていなかったようで、開けた分だけ光が中に差し込んでいく。
「明かり、無いんですか？」
暗すぎて中の様子がほとんど見えない。私が院長先生に言えば、先生は壁際のボタンを押した。
ぱちぱち、と軽く点滅が起き、そしてじんわりと明かりが灯る。
じんわり照らされた部屋に、私はチラリと顔を覗かせた。
＿＿すると、部屋は衝撃的な状況にあった。
「……これ、なんですか」
悲惨な状況に、自分でも驚くほど低い声が出た。怒り、と表現するべきでは無いようなドス黒い感情が、胃の底から這い上がってくる。
「これはなんなんですか！」
私の質問に、怯んでしまった院長先生は、口を黙らせた。でも、そんな沈黙でこの場を切り抜けられるとは思わないでほしい。
私はさらに声を張り上げた。
「……し、躾をしております」
すると院長先生は、軽く怯えるようにして答える。
「躾って……これは精神を壊すレベルの虐待です！」
私は、あくまで教育の範囲だと言い張る院長に、さらに感情を昂らせる。
すると院長先生は半泣き状態で、院の方針を決めるのは私です、と繰り返すだけになってしまった。
「……もういいです。それより、この子を解放しますね」
部屋の隅に腰が抜けたようにへたり込む院長先生。そんな腑抜けのことはもう良い。
私は部屋の中央に吊り下げられている、一人の男の子の元へ歩いた。
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ニゲラ*(プロフ) - 壱樹さん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます、一番大好きだなんて……本当に嬉しいです！更新遅くなって申し訳ないです。もう少ししましたら忙しい時期を抜けると思いますので、もう暫くだけ亀さんペースをお許しくださいませ。これからも頑張りますね(*^▽^*) (4月8日 16時) (
レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
壱樹 - めちゃくちゃ良いです…！今まで見た小説の中で１番大好きです！これからもがんばってくださいっ！ (4月4日 17時) (レス) @page18 id: d010ee6f51 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - 群青色の匠さん» 本当に文字化けの件はご心配おかけしてしまったようで……バグではなく正常動作です！応援コメもありがとうございます！読者様方には本当いつも励まされております……更新スピード落とさぬよう、努力していきます！この先も宜しくお願いします(^-^) (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - みどさん» 文字化けはエイプリルフールのちょっとした冗談です、笑って許してくださいませ……水色さんや緑色さんはもうしばらく先になってしまうかと思いますが、もう登場までのプロットのようなものはできていますのでお楽しみに！（なるはやで文字起こしします！） (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - おださん» またまたコメントありがとうございます‼︎通知気付かれてすぐに来てくれているのですね……！そこまで楽しみにしていただけているなんて本当に喜ばしい限りです！おだ様含めた読者様方のために、この先も尾も白い作品作り頑張りたいと思います！ (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニゲラ* | 作成日時：2024年3月14日 15時
