六十話 ページ11
＿＿スマイルは、目が紫で、茶髪。
頭の中に、きりやんの声が蘇る。
他に、瞳が紫と言えるような子供の写真がなかったので、この子かと予測をつけた。
残念ながら、他の色の子はそれぞれ数人ずつ存在した。特に、青い子は人数が多い。
「院長先生、今この子に会うことはできますか？」
仕方がない。ひとまず、このスマイルくんらしき子に面会し、残りの子供たちが誰なのかを聞くことにしよう。
そう決めた私は、院長先生に向かって面会ができないか問いかける。
断る理由なんて無いので、すぐに了承の言葉が返されると勝手に思い込んでいた。
そのため、院長先生が口にした言葉に、私は思わず素っ頓狂な声をあげる。
「申し訳ない、その子は只今“反省室”に入れられております故、面会はできません」
「え？」
笑顔を崩さないままの院長先生に、私は改めて聞き返す。
「……反省室って何ですか？私は、できればこの子を引き取りたいのですが」
なんだか不穏な言葉が聞こえてきた。嘘では無いのは分かったが、なんとも聞こえの悪い単語だ。
少し語を強くした私は、軽く院長先生を睨みながら言った。
「少々躾の足りない子供でして。教育ですよ。……どうしても面会を希望でしたら、ご案内いたします」
私の睨みは相当効いたようだ。視線を彷徨わせた院長先生は、なんとも弱々しい声で言った。
「じゃあ、案内お願いします」
にっこりと笑った私は、恐る恐る歩き始めた院長先生に着いて行ったのだった。
反省室、とやらは意外と近くにあったようで。談話室を出てから廊下を少し歩けば、突き当たりのところに重々しい扉があった。
そして扉の前には一人の少年が蹲っていて。
「マルナナマルキュウ。そこを退きなさい」
心底煩わしそうに少年を一瞥した院長先生は、今までの声とは思えないほど低い声で呟いた。
……別に退かなくても入れそうだけどね。
そんなことを思ったのは秘密である。院長先生に声をかけられても、蹲ったままの少年。
「客が中のヒトフタサンヒトに用事だ。そこを退きなさい」
動こうとしない少年に、院長先生はもう一度、口を開いた。すると今度は、少年がゆっくりと顔を上げる。
でも、少年が見つめる先は、院長先生ではなかった。
何故か、彼の青い瞳は、私を貫いていたのだった。
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ニゲラ*(プロフ) - 壱樹さん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます、一番大好きだなんて……本当に嬉しいです！更新遅くなって申し訳ないです。もう少ししましたら忙しい時期を抜けると思いますので、もう暫くだけ亀さんペースをお許しくださいませ。これからも頑張りますね(*^▽^*) (4月8日 16時) (
レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
壱樹 - めちゃくちゃ良いです…！今まで見た小説の中で１番大好きです！これからもがんばってくださいっ！ (4月4日 17時) (レス) @page18 id: d010ee6f51 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - 群青色の匠さん» 本当に文字化けの件はご心配おかけしてしまったようで……バグではなく正常動作です！応援コメもありがとうございます！読者様方には本当いつも励まされております……更新スピード落とさぬよう、努力していきます！この先も宜しくお願いします(^-^) (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - みどさん» 文字化けはエイプリルフールのちょっとした冗談です、笑って許してくださいませ……水色さんや緑色さんはもうしばらく先になってしまうかと思いますが、もう登場までのプロットのようなものはできていますのでお楽しみに！（なるはやで文字起こしします！） (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - おださん» またまたコメントありがとうございます‼︎通知気付かれてすぐに来てくれているのですね……！そこまで楽しみにしていただけているなんて本当に喜ばしい限りです！おだ様含めた読者様方のために、この先も尾も白い作品作り頑張りたいと思います！ (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニゲラ* | 作成日時：2024年3月14日 15時
