五十一話 ページ2
「ご馳走様でした」
朝ご飯を終え、台所に食器を持っていく。
シンクにはお皿が入っている。どうやら、彼らは食事の後の食器をここに入れたようだ。洗剤がなかったから洗えなかったのかもしれない。
でも、流石に食器洗いまでさせるつもりは無かった。というのも、洗い物なら魔法でちょちょいだからだ。
回復魔法と違い、私には水魔法は適正があったので、そういった類のことは得意である。
今も魔法で水を出し、それを動かして食器を纏った。
みるみるうちに、汚れは落ちていく。
最後に水をシンクに流して、食器洗いは終了した。
「よし、二人とも〜。買い物行こうか」
リビングで会話を楽しんでいたらしい二人に声をかけ、私はカバンを手に取った。中に財布が入っているのを確認して、二人に顔を向ける。
「買い物？」
きょとんとした顔で私を見つめ返すのはぶるーくだ。
何しにいくの、と聞かれる。
「君らのお友達を引き取る前に、布団とか服とか買わなきゃいけないからね」
お買い物だよ、と笑えば、子供たちは目を輝かせる。いい笑顔、と私は微笑ましく彼らを見つめた。
「出発！」
私の合図と共に家を出た二人。彼らには私のお下がりの小さな肩掛けバッグを持ってもらった。
「罠があるから気を付けて」
私の後ろを離れないように注意する。きりやんはその経験があるからか、一歩一歩慎重に歩いていた。
一方、ぶるーくは何も心配していないのか、ずんずんと歩いていく。
森を抜けると、一本の整備された土の道に辿り着いた。
「A〜！手、繋ご？」
道が大きくなったので、横並びになれる幅が生まれた。すると、スッと私の横に入り込んだぶるーくが聞いてくる。
いいよ、と手を差し出すと、私の手より二回りは小さい手が、優しく私の手を掴んだ。
「あ、ずるい。俺も！」
ぶるーくと手を繋ぐと、後ろからひょっこり出てきたのはきりやんだ。俺も、と言って手を出してくる。
私がその手を握ると、彼も握り返してきた。
……本当、慣れてくれたもんだ
つい一昨日まで泣いて拒まれていたなんて俄かに信じがたい。
それでも、事実なのだからここまで心を開いてくれるなんて思っていなかった。
「ご主人、急にどうしたの？」
知らないうちに私は笑みを浮かべていたようだ。きりやんが、不思議そうな顔で聞いてきた。
「うん？なんでも無いよ」
幸せだなとしみじみしながら、私は街へと向かったのだった。
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ニゲラ*(プロフ) - 壱樹さん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます、一番大好きだなんて……本当に嬉しいです！更新遅くなって申し訳ないです。もう少ししましたら忙しい時期を抜けると思いますので、もう暫くだけ亀さんペースをお許しくださいませ。これからも頑張りますね(*^▽^*) (4月8日 16時) (
レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
壱樹 - めちゃくちゃ良いです…！今まで見た小説の中で１番大好きです！これからもがんばってくださいっ！ (4月4日 17時) (レス) @page18 id: d010ee6f51 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - 群青色の匠さん» 本当に文字化けの件はご心配おかけしてしまったようで……バグではなく正常動作です！応援コメもありがとうございます！読者様方には本当いつも励まされております……更新スピード落とさぬよう、努力していきます！この先も宜しくお願いします(^-^) (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - みどさん» 文字化けはエイプリルフールのちょっとした冗談です、笑って許してくださいませ……水色さんや緑色さんはもうしばらく先になってしまうかと思いますが、もう登場までのプロットのようなものはできていますのでお楽しみに！（なるはやで文字起こしします！） (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ*(プロフ) - おださん» またまたコメントありがとうございます‼︎通知気付かれてすぐに来てくれているのですね……！そこまで楽しみにしていただけているなんて本当に喜ばしい限りです！おだ様含めた読者様方のために、この先も尾も白い作品作り頑張りたいと思います！ (4月1日 13時) (レス) id: 7f55ccc0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニゲラ* | 作成日時：2024年3月14日 15時
