葛藤 ページ24
空っぽになった食器
私に全てを伝えたのも、残さず食事を終えてからだったのかと
そんなことを思って、ふと笑みがこぼれた
「ふっ(笑)」
チャンミンらしい
彼は頭が良いから、少しでも隙を見せたら全てを悟るだろう
目的を終えて、依頼人との契約が終わるまで
私は少しも気を抜くことは出来ない
この先、彼らが成功を手にし
未来へと進むために、私は彼らのほんの一時の時間を
サプリメントのように癒してあげるだけ
全くの気休めのものや、強すぎてしまう薬ではなく
足りないものを補うことの出来るサプリメント
そんな存在になることが、私の目指すべきもの
自分に改めて活を入れるように
「よしっ！」
ﾊﾟﾝｯ!
片付け終えた私は、まだ水を拭っていない両手で頬を叩いた
「ふふっ(笑)」
らしくない自分の行動に笑いながらキッチンを出ると
静まりかえったリビング
見渡すと、ここへ初めて来た日の事を思い出す
この広い部屋で、毎日のように彼らの事を思いながら仕事をした
最初は警戒心しか私に見せなかった彼らも
少しずつ心を開いてくれて、笑顔を向けてくれるようになったこと
その笑顔を見て、私も笑顔にさせられたこと
全てを忘れることなく覚えている
間もなくこの部屋とも、彼らともお別れ
今度彼らが日本へ向かう日は、大きな会場でのコンサートのため
そしてそれは、この契約が終了する日
どうか、どうか彼らの努力が実を結びますように
その先にある一段上のステージへ
彼らが導かれるように
窓から差す西日に手を合わせて、そっと祈った
・
夕方も5時になり、今日はもう何もする事がないから
私はエプロンを解き、ハッグを持って帰り支度を始めた
あれからチャンミンは部屋に入ったまま
ユノも、部屋から一歩も出てこない
疲れて寝てしまったのだろう
マネージャーさんから彼らの日本でのハードなスケジュールを話を聞いていた私は
彼らを起こすことなく、声もかけずに部屋を出た
通りを歩きながら、もう一つの仕事のことを考えていた
掛け持ち、始まるな…
体力的、精神的に大丈夫だろうか？
最初は家政婦の仕事のみに集中すれば良くて
…まぁ、そんなに構えることもないか
なんて、これでもいくつもの葛藤をしながら
毎回仕事に入っていく
初日は自分なりに緊張をし、それでも大事な物を見落とすことなく仕事を進めていかなければならない
「頑張らなきゃ」
気合いを入れ直し、家へと向かった
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裕(プロフ) - alexisさん» 最初の難しさに楽しさを見出しているような。。。みたいな感じで(笑)いつもありがとうございます(*´∀`*)ノ (2018年10月2日 22時) (
レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - あまいくりーむさん» ありがとうございます(T.T)次章もがんばって更新しますね！ (2018年10月2日 22時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 環琉さん» ありがとうございます(ToT) (2018年10月2日 22時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - 裕さん» ジェジュンとの“仕事”…ヒロインはプロですが、、、ぃやー難しい仕事ですよね…けど、めっちゃやり甲斐もありそうな……。次章も楽しみにしています♪ (2018年10月1日 23時) (レス) id: d8faaba8f4 (このIDを非表示/違反報告)
あまいくりーむ(プロフ) - すごく面白いです！楽しみに拝見しています！ (2018年10月1日 17時) (レス) id: 9358b5978b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕
| 作者ホームページ：http://id29.fm-p.jp/279/jjhh/
作成日時：2014年4月17日 13時
